【神戸児童連続殺傷事件】元少年Aの告白本『絶歌』出版の是非 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

 一方、「解」では、加藤死刑囚本人が一度は家族を許すものの、離婚話が浮上したことで再び、自分はいらない存在なんだと認識するくだりがある。加藤死刑囚の家族観や孤独感がわかるエピソードが記されている。

 このように加害者がどのような思考パターンで犯行まで至ったのかを知るのは、事件の流れを把握する上では貴重なものだ。まして、犯罪予防の観点でも役立つことを期待したいと思っている。

 1968年〜69年にかけて起きた連続ピストル射殺事件(死者4人)の永山則夫(死刑執行)も手記「無知の涙」(現在は河出書房新社)を獄中で出版した。時代状況もあったが、貧困で満足な教育を受けられていない中での罪の告白をしたのだ。酒鬼薔薇が逮捕されて2ヶ月も経たないうちに死刑が執行された。

 なぜ「酒鬼薔薇」のような存在が、なぜ、あのような犯行が起きたのか。それがわかるヒントになるのであれば、私は出版は賛成だ。特に少年事件だったために、成人事件とくらべて、公表された事実は少ないと思われる。

 もちろん、遺族が「また傷つけるのか」という手記を発表している以上、それに対する働きかけは、出版社や編集者の役割だろう。事前に通知するのかも悩んだのかもしれない。ただ、通知すれば、出版中止を願い出される可能性が十分にある。そこで賭けに出たのかもしれない。

 まず、その働きかけの一つとして、社内でどのような話し合いがなされたのかを知りたいとは思う。どんな論点があったのかでも、出して欲しいものだ。

Written by 渋井哲也

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