ウォリアーズ40年ぶりの優勝!ファイナルMVPはアンドレ・イグダーラに!
2015年6月16日(日本時間17日)、クイックン・ローンズ・アリーナにて新たな歴史が刻まれた。 2015 NBAファイナル、ゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズの第6戦は、ウォリアーズが105-97で勝利を収めてシリーズを4勝2敗とし、見事に40年ぶり4度目の優勝を飾った。 ファイナルMVPに選ばれたのは、アンドレ・イグダーラ。ウォリアーズにとって1975年のリック・バリー以来となる球団史上2人目のファイナルMVPとなった。 キャバリアーズのレブロン・ジェイムズは、プレーオフ通算得点を5020点とし、史上6人目のプレーオフ通算5000得点に到達したが、チームを初優勝に導くことはできなかった。
2015 NBA Finals
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第5戦に続きスモールラインナップで敵地に乗り込んだウォリアーズは、第1クォーターを28-15と8点リードで終えた。
第2Qにキャブズの反撃を浴び、このクォーターを17-28とされ前半を2点リード(45-43)で折り返す。第3Q序盤にはキャブズに一時は逆転を許したものの、ウォリアーズは再び体勢を整え、このクォーターだけで10点差(28-18)をつけ、12点リードで最終クォーターを迎えた。
キャブズは第4Qに入るとレブロン・ジェイムズ、ティモフェイ・モズゴフらを中心に高さを生かしインサイドを攻めて追いすがり、残り1分を切ってからジェイムズのドライブやJ.R.・スミスの3Pシュートなどで迫り、残り33.2秒には97-101と4点差まで迫詰め寄った。
しかし、終盤にステファン・カリー、アンドレ・イグダーラらの3Pシュートなどで着実に得点を重ねながら攻め急ぐキャバリアーズを抑え、最後はフリースローをきっちり沈めて逃げ切った。
カリーが勝利を祝う祝砲のようにボールを高々と投げた瞬間ブザーが鳴った――。
ウォリアーズの優勝は、1974-75シーズン以来40年ぶり。ウォリアーズは3シーズン連続でプレーオフに出場しているが、その前までの18シーズン中17シーズンはプレーオフにさえ進出できていなかった。
ファイナルMVPはアンドレ・イグダーラの手に…!

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ファイナルMVPに選ばれたアンドレ・イグダーラは、ウォリアーズにとって1975年のリック・バリー以来となる球団史上2人目のファイナルMVPとなった。
イグダーラは昨シーズンまでキャリアで出場したすべての試合(レギュラーシーズン758試合、プレーオフ48試合)でスターターを務めていたが、今季はファイナル第3戦まで全ての試合をベンチ出場していた。
イグダーラが第6戦で記録した25得点は、今季自身最多得点(今季最多はレギュラーシーズンで21得点を2回、ファイナル第4戦で22得点)。 キャバリアーズのエースであるレブロン・ジェイムスにマークをつきながら、ウォリアーズ得意のファストブレイクや3Pと攻撃でも結果を残したことが評価されての選出となった。
また、シーズンMVPであったステファン・カリーは、今ファイナルで平均26.0得点、3Pシュートを65本中25本成功(成功率38.5%)。カリーが今プレーオフで決めた3P98本は、2000年にインディアナ・ペイサーズのレジー・ミラーが決めた58本を大きく上回る、単年のプレーオフにおける最多成功記録となった。
優勝を決めた"3つのカギ”
1.ステファン・カリーの復調
やはりチームのエースであるステファン・カリーの復調は、大きな勝因の1つと言えるだろう。
ウェスタン・カンファレンス決勝での最後の2試合と、キャバリアーズとの最初の2試合の計4試合でフィールドゴール成功率35.4%だったカリーは、キャバリアーズとの第3戦から51.7%と調子を上げた。
第5戦では37得点、フィールドゴール23本中13本成功、3ポイントシュート13本中7本成功。第4クォーターだけ見れば17得点、フィールドゴール7本中5本成功と驚異的な数字を残している。
カリーが爆発することで周りの選手が活き、周りの選手の活躍がさらにカリーを活かす…
そんな循環したスタイルこそがウォリアーズの強さを作り出すのだ。
結果ウォリアーズは攻撃でキャバリアーズを圧倒。リズムのよいオフェンスから自分たちの流れを作り出し、それがディフェンスにもいい影響を与えることで勝利をものにした。
選手層の厚さ
キャバリアーズとウォリアーズの大きな違い――。
それは総合したチーム力の差だろう。
確かにキャバリアーズのスターティングメンバーは圧倒的なまでの力を持っている。現にレブロン・ジェイムスはファイナルでも毎試合40分以上の出場をし、30点以上の得点をコンスタントに取ってきた。しかし、レブロンと共に“新たなビッグ3”と言われたカイリー・アービングとケビン・ラブを失った状態では、チーム力に問題があった。
対するウォリアーズは、昨シーズンまでスターティングメンバーだったイグダーラ、デイビット・リーが若手にその席を渡すことでその成長を促し、チーム力の向上を図っていた。さらに積極的なベンチメンバーの起用は、相手ディフェンダーの混乱を誘い、常にチームに新たな風を吹かせ、その活躍で流れを変える場面も多々あった。ベンチから出場するショーン・リビングストンやレアンドロ・バルボーザ、そしてイグダーラやリーの活躍は、チームを勝利に導く道筋を示してきたのだ。
その思い切った采配の結果、今シーズンからウォリアーズの指揮を担うことになったスティーブ・カーHCは、新人ヘッドコーチとして史上7人目の優勝コーチとなった。
高さを捨てた“スモールラインナップ”での挑戦
キャバリアーズの攻撃はレブロン・ジェイムスのペネトレイトやそこからのキックアウトでの3P、216cmもの身長を誇るティモフェイ・モズコフと強靭なフィジカルを持ったトリスタン・トンプソンのインサイドから構成されている。
スピードがあるものの高さには慢性的な不安を抱えていたウォリアーズにとっては、相性の悪い相手と言っても過言ではなかった。
しかし、そこでスティーブ・カーHCは、まさに逆転の発想とも言える大胆な戦術を見せた。
第3戦までセンターだったアンドリュー・ボガットをスターターから外し、イグダーラを戻したのだ。この布陣がキャバリアーズに思わぬ苦戦を強いる。
レブロンに対しては、イグダーラがきっちりとマークをしてディフェンスすると同時に、モズコフやトンプソンのインサイドの選手にボールが入ると、徹底したマークとダブルチームで自由を与えなかった。そして、キックアウトパスを読みきりカットすることで、得意の速攻へと持ち込み自分たちのペースでの試合展開にしていった。
さらに攻撃においてもこの策は理にかなっていた。Gの選手がボールを持つと、モズコフがマークについている選手がスクリーンに走りマークをずらす。するとセンターであるモズコフとスピードのある選手がマッチアップすることとなり、スピードのミスマッチが起こる。
結果、ペイントエリアをかき回されることになり、キャバリアーズはディフェンスを安定させるために絶対的センターであったモズコフを下げざるを得ない状態になってしまった。
高さになんとか対向するのではなく、スピードで勝負することで結果的に相手の脅威を排除する――。
そんな逆転の発想で自分たちのペースを作り出したのだ。
新たな歴史が刻まれたNBA――。
ゴールデンステイト・ウォリアーズが優勝することで新たなスタイルがNBAを制覇し、時代を変えてみせた。
これから移籍市場なども活発に動き、それぞれが優勝にむけてチーム作りに励んでいくが…。
早くも来季のNBAが楽しみでならない。