駅で必ず階段を使うという人はどれくらいいるだろうか。階段を使ったほうが健康に良いのは明白だが、基本的にエスカレーターを使う人がほとんどだろう。

エスカレーターのほうが楽だし、みんながそうしているからだ（本書に限らず、行動経済学の本を読むと、人は「流される生き物」であることが嫌というほどわかる）。

・階段の利用者を66％増やすことに成功
しかし、何か代替報酬があると、階段を使うことが苦でなくなる場合がある。例えば、フォルクスワーゲンは、「人に良い行動を促す」というプロジェクトで、「楽しさ」という代替報酬を用意し、階段の利用者を66％増やすことに成功した。

・2000万回以上再生されている動画
その模様が、本書で紹介されている動画である。2000万回以上再生されているので、私が知らなかっただけで、メジャーな事例なのかもしれない。

・階段をピアノの鍵盤に改造
「スウェーデンのとある駅。階段とエスカレーターが並んでおり、通行人のほとんどはエスカレーターを利用している。《階段を使うことを楽しくすれば、より多くの人が階段を使う？》階段をピアノの鍵盤のように改造し、歩くと一段ごとに違う音が出るようにする。楽しみながら階段を利用する人々の映像。《階段を使う人が六六％増えた。”楽しみ”は人の行動を変える》」(引用 ダン・アリエリー『お金と感情と意思決定の白熱教室』早川書房)

・示唆に富んでいる事例
動画のコメント欄には、すぐ飽きられるのではないか、（行きつ戻りつする人のせいで）通行の邪魔になるのではなどという意見があり、それについては私も同感である。ただ、示唆に富んでいる事例であることは疑いようがない。

・解決にゲームの手法を用いる活動
いわゆるゲーミフィケーション（課題の解決にゲームの手法を用いる活動）だが、日々の自分の活動（主に面倒な雑務）にも取り入れられないか考えてみたい。

https://youtu.be/2lXh2n0aPyw

執筆: 鈴木収春(不明研究室) http://fumeiya.net/

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