古代生物「ハルキゲニア」の頭部が特定され、新たなる再現図が作成される。

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古代生物「ハルキゲニア」の頭部が特定され、新たなる再現図が作成される。
古代生物「ハルキゲニア」の頭部が特定され、新たなる再現図が作成される。


 約5億年前、古生代カンブリア紀に生息していた生き物と言えば、我らがアノマロカリスが有名だが、時を同じくして生息していたのがハルキゲニアである。

 その姿もトゲトゲしくてちょっとかっこよくて、アノマロカリスよりもハルキゲニア派のお友達も多いと聞く。そんなハルキゲニアだが、前後が判然としないという解剖学的に奇妙な構造から科学者たちを困惑させてきた。

 ところがケンブリッジ大学の最新の研究により、単純な1対の目と針のような歯が発見され、ようやくどちらが前なのか判明し、長年の論争に決着がつくことになった。
 
 以下の動画は最新の研究に基づいて復元されたハルキゲニアの姿である。


Hallucigenia: The worm with the missing head

 5億年前の海に生息していたハルキゲニア・スパルサは、かつて世界で最も一般的な生物だった。しかし、この世のものとも思えぬその姿から進化的に整合的ではない考えられるにいたった。

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 ハルキゲニアは体長35mmで、5億2500万~5億500万年前の海に生息していた。この時期は、今日見られる動物の門が突如として出揃ったカンブリア爆発が発生した時期である。1970年代の初期の記述では、トゲを使って歩き、背中に触手を生やした生物だと考えられていた。また、尻尾の部分には風船状の球がついており、これが頭部だとされてきた。

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 しかし、今ではそれとは逆さまで、前後も逆であると結論が出ている。研究を率いたケンブリッジ大学のマーティン・スミス氏は、高性能な電子顕微鏡を使っていくつもの標本を精査した。その結果、球とは逆の末端に原始的な目と歯があることを確認したのだ。
 
 また、球状構造についても正体が判明している。スミス氏によれば、端的に言うと答えは糞だという。「具体的には、泥の層の下で潰されたとき、あまり強くない部分から押し出された、動物の中身のスープのようなものですね」

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 この発見は、地球上の生命が今日存在する複雑な形へと急速に進化を遂げていた時代における、ハルキゲニアという原始的生命の生態を解き明かす手がかりとなるだろう。ハルキゲニアは明暗を認識する原始的な視覚を有していたと考えられる。昼と夜の区別はついたようだが、接近する捕食者はなかなか見ることができなかったようだ。

 環状に並んだ尖った歯は、喉の方へ向いている。これはおそらく、口から吸い込んだプランクトンなどの餌を胃へ導くために使われたようだ。実は、こうした歯の発見は意外なことだった。というのも、現生する動物で最も近い有爪動物には歯がないからだ。すなわち、かつて歯を獲得したにもかかわらず、再度失ったようなのだ。

 「顕微鏡で笑顔のような歯が見られるとは、全く予想していませんでしたよ」とスミス氏。

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 今回の発見は、系統樹上でハルキゲニアをより正確に位置づけるうえでも役立つだろう。これまでは、あまりにも奇妙で、近類が存在するとは考えにくかった。だが、今では節足動物(昆虫やクモ)、有爪動物、緩歩動物が含まれる、脱皮動物に属すると科学者は確信している。

 この大グループの初期の進化史は謎が多い。「このグループの動物は脱皮をするという事実によってまとめれていますが、彼らに共通する身体的な特徴はあまり確認されていません」とスミス氏。
 
 学術誌『サイエンス』に掲載された最新の成果が、古代の祖先の生態を少しずつ明らかにしてくれるだろう。


via:theguardian・原文翻訳:hiroching


 ちなみにかつての再現図はこんな感じである。
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 これよりはちょっとかっこよくなった感じかな?
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