無農薬野菜が体によくて美味しいはウソだった!?

日刊大衆

無農薬野菜が体によくて美味しいはウソだった!?

無農薬野菜、農薬を一切使わない野菜は健康的でおいしい。なんとなくそう思いがちだが、実際はどうか?

スーパーなどで2〜3割高く売られている無農薬野菜、農薬を使っていないのだからさぞや虫に食われているだろうと思いがちだが、ほとんど虫食いの跡はない。これは生産者によって土壌を中心に菌数などの徹底した管理がされているからでもあるが、大きな理由はファイトケミカルだ。ファイトケミカルとは言い換えれば、俗にいうエグ味や苦みの成分であり、野菜のアクだ。これは植物が防衛用に作り出す化学物質で、虫害を防ぐ作用がある。

昔は多かった野菜嫌いの子が最近は少ない。これは時代による嗜好の変化というよりも、過去数十年の品種改良と生産技術の進歩が野菜のエグ味や苦みを取り去り、子どもも食べやすい優しい味に変わったからだ。虫害がなければ植物はファイトケミカルを作らず、野菜は甘くおいしくなる。

だから無農薬野菜は味が違う、昔の野菜の味がするという声は正しい。農薬を使わないために、野菜が昔の野菜と同じく苦く渋くなっているからだ。虫も食べられないほど苦い野菜、それが無農薬野菜だ。つまり無農薬野菜はおいしいのではなく、先祖返りしてまずくなっている……味は好みの問題ではあるが。

無農薬だから安全、というのも実は正しくない。確かに農薬が体に悪いというのは、それ自体は間違ってはいない。コップ一杯の農薬を飲めば、下手すれば死ぬだろう。しかし現在の農薬はすべて日光などで分解する生分解性が義務付けられている。農家では出荷する数日前に最後の農薬を散布するが、その農薬も出荷時には完全に分解され、無害化している。農薬が体に蓄積して……というのはDDTなど有機系農薬を使っていた70年代までの話で、今の農業には当てはまらない。無農薬だから安全なのではなく、今どきの野菜はどれでも安全なのだ。

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無農薬野菜よりももっと値段が高いのが有機野菜だ。農薬の他、化学肥料も土壌改良剤も3年以上使わない土地で、有機肥料(堆肥である)のみでという基準で作られた野菜のこで、信じられないほど手間がかかる。労働時間は1.6倍、収穫量は2割減だ(平成14年産・稲作農家の経営収支)。

だから当然のように高い。一般作物の約1.8〜2倍である。その高い値段に目をつけ、悪徳業者が廃棄された不格好な野菜に有機野菜のラベリングをして販売することもある。

それだけ手間がかかるだけに、有機野菜が国内総生産量に占める割合は0.18%(平成19年度・農林水産省調べ)とやたら低い。普通のスーパーに流通するわけもなく、一部の高級食材店と飲食店でほぼ全量が消費されているのが実際だ。もし近所のスーパーに有機野菜が置いてあったら、少し疑ってかかった方がいい。

有機野菜は厳しい基準が課せられているが、中には堆肥に鶏糞を使い、半発酵状態で土に入れるような農家もいる。この場合、鶏糞に含まれる重金属や抗生物質が分解されずに土を汚染することになる。

無農薬野菜にしても有機野菜にしても、異常に手間ひまはかかっているので、それなりには美味しいが、実際は健康とも安全とも関係ないことをお忘れなく。要するにブランド野菜なのだ。

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