孤立する若者が増加中? フィンランドの実態とは? (2/2ページ)

新刊JP


 あらゆる領域の仕事で効率性や成果が重視されるようになり、社会における競争の激化による「行きすぎた成果主義」が、若者を隔離や孤立へ追い込んだのではないかと本書では分析している。そして、社会の変化に応える形で、教育の現場でも「優秀さ」「効率性」「生産性」が重視されるようになったのだ。

 このように経営的思考に根ざした教育政策のもと、短期的な成果ばかりが求められるようになり、若者のあいだで勝ち組と負け組の二極化が進んだ。
 2008年時点で、フィンランドには15~29歳で約3万2000人のニートがいる。そして、敗者となってしまった若者が犯行に手を染めてしまう点が見逃せない。フィンランドでは、2002年にミュールマキのショッピングセンターで爆弾事件、2007年にヨケラ、2008年にカウハヨキで学校襲撃事件が発生している。これら3つの事件で合計26人の命が犠牲になっている。
 
 本書によれば、現在のフィンランドにおいて「若者の大半はかつてないほどうまくいっているにもかかわらず、わずかなお金で生活する若者たちも増加の一途にある」。
 若者問題にかぎらず、フィンランドが抱える闇にかなり斬りこんでいる本書を読めば、この国の実態が浮かび上がってくることだろう。
(新刊JP編集部)
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