夏の暑さを冬に活用できる?東大が「蓄熱セラミックス」を発見

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夏の暑さを冬に活用できる?東大が「蓄熱セラミックス」を発見

夏は暑い。冬は寒い。夏の暑さを保存しておいて、冬に暖房として使えないものか。と考えるひとは多いだろう。いままでそれが実現しなかったのは、不可能だからだ。熱はあるていどの保存は可能だが、十分な熱量をそんなに長期間保存しておくことはできず、冬になる前に放出されてしまう。

しかし、その不可能を可能にするかもしれない素材を東京大学大学院の研究チームが発表した。同大学のウェブサイトで紹介されている。


■ セラミックスが熱を蓄える

同研究チームが発見したのは、永続的に熱エネルギーを保存できるセラミックス『蓄熱セラミックス』だ。加熱するとその熱を蓄え、弱い圧力を加えることで自在に取り出すことができるという。

今回発見された蓄熱セラミックスは、チタン原子と酸素原子のみから構成される、ストライプ型-ラムダ-五酸化三チタンと呼ばれる物質だ。これは230 kJ L-1 (55 kcal)の熱を吸収・放出することができるという。水の融解熱の約70%に相当する大きな熱量だそうだ。

そして、このストライプ型-ラムダ-五酸化三チタンは、60MPaという、あまり強くない圧力を加えることで、ベータ-五酸化三チタンに変わる。その際に保存した熱エネルギーも同時に放出する。つまり蓄えた熱エネルギーを取り出すことができるというわけだ。

この蓄熱セラミックスは、加熱という方法以外でも、電流を流したり、光を照射したりという方法でも蓄熱することができるそうなので、さまざまな方法で熱エネルギーの保存・放出が可能だ。


■ 入手しやすく環境にも優しい

そしてこの蓄熱セラミックスは、単なる酸化チタンであるため、環境にもやさしく、埋蔵量も豊富で資源的にも恵まれた物質だという。

同大学の記事では、『太陽熱発電システムや、工場での廃熱エネルギーを有効に再生利用できる新素材として期待されるほか、感圧シート、繰り返し使用可能なポケットカイロ、感圧伝導度センサー、電流駆動型の抵抗変化型メモリー(ReRAM)、光記録メモリーなどの先端電子デバイスとしての新部材としての可能性も秘めています。』と書いている。

当サイトでも繰り返し述べているが、風力や太陽光・太陽熱等を活用した自然エネルギーは、エネルギーの安定供給という面に大きな課題を抱えている。エネルギーを蓄えるということはそれほど大きなテーマであり、重要な課題なのだ。

この蓄熱セラミックスの発見は、そのエネルギー備蓄の問題を解決するひとつの糸口になるかもしれない。

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