モーニング娘。の運は「したくない仕事」にこそあった

「したくない仕事しか来ない。でも、運はそこにしかない」という、かつて"視聴率100%男"と呼ばれた、欽ちゃんこと萩本欽一の言葉があります。就活生の皆さんはこの言葉を目にしてどう思われるでしょうか。
僕にはこれが、一般人だった女性5人が急遽ユニットを組むこととなり、シャ乱Qのボーカル・つんく♂によってプロデュースされ、アイドルグループとして歩みを進めたモーニング娘。の歴史と重なって見えます。
●「娘。」になる瞬間
「夢のオーディションバラエティ」と銘打たれた「ASAYAN」(テレビ東京)の収録スタジオには1997年のその日、まだユニット名が与えられていない、中澤裕子、石黒彩、安倍なつみ、飯田圭織、福田明日香の5人が揃っていました。都内某所にいるつんく♂が、彼女たちのユニット名を決めるとのこと。その映像を5人と番組MCのナインティナイン、永作博美が見つめます。
VTRが流れる直前、ユニット名について「漢字だったら面白い」(福田)、「英語がいい」(中澤と安倍)、「かっこいい名前がいい」(飯田)、「省略できるのがいい」(石黒)と各自が希望を述べていましたが、肝心のつんく♂が重視したのは「親しみやすさ」でした。つんく♂は候補として「たこ焼きシスターズ」「バイキング」といったユニット名を列挙し、その流れの中で「モーニング」というフレーズが出現します。
「モーニング娘。みんなに親しまれやすい娘たちや。朝、コーヒーだけ飲みたいねんけど、卵も付いてくんねん。トーストとピーナツバターも。モーニング娘。……大決定やこれ! モーニング娘。いいんちゃう? 案外と。説得力あるよ!」。
●継承される看板への誇り
親が子供に授ける名前は初めてのプレゼントとも言います。モーニング娘。と命名したことは、つんく♂にとって、5人がまさに「娘。」となった瞬間でした。漢字、英語、省略できる、親しみやすい……モーニング娘。はメンバーの願望が総合的に実現した名前でもあったのです(かっこいいかどうかは主観によりますが……)。
その後、CD5万枚を手売りする全国握手会でデビューをつかみ取ったモーニング娘。が「LOVEマシーン」などのミリオンセラーを連発したのはご存知の通り。2015年の現在も「モーニング娘。'15(ワンファイブ)」として活動を続け、新曲をヒットチャートの上位に送り込んでいます。現在リーダーを勤めるのは9期メンバーとして加入した現在18歳の譜久村聖。ハロー!プロジェクトのことを愛してやまない彼女にも、もちろん看板への誇りが継承されています。
●オーディションの落選から始まった
初期メンバー5人は、そもそも「シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション」の落選者でした。決してアイドルをやりたいわけではなかったと思います。しかし結果的に2015年に至るまで、モーニング娘。のたすきは受け継がれた。
この事実により、「したくない仕事しか来ない。でも、運はそこにしかない」という説は、立証されたと言えるのではないでしょうか?最初はどこかしっくり来ない仕事だとしても、努力して経験を重ねて時代をつないでいくことで、いつか運を自分の味方にできるし、きっと結果も出るのです。
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文・ピエール
【プロフィール】ピエール
とあるニュースサイトで日々記事を執筆している会社員。ブログ「はてなでテレビの土踏まず」での、過剰なまでの愛に溢れたアイドル論が話題に。