「子どもと一緒の時間が少なくても大丈夫!」最新研究で明らかに
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親子
子どもを持つ女性にとって、働きに出るかどうかは大問題。家計のためには共働きが望ましいけれど、子どもと過ごす時間を減らすことになる……。その狭間で、たくさんのママが葛藤しています。
そんな悩めるママたちを勇気づける研究が、アメリカ・メリーランド大学などのチームによって発表されました。今回は、『The Washington Post』を参考に、母親と子どもが過ごす時間の意味について考えます。
■共働き親子が一緒に過ごす時間は増えている
4月に発表されたこの研究で、驚くべきことがわかりました。
アメリカでは、1965年から2010年にかけて共働きの世帯が増えているにも関わらず、両親が子どもとすごす時間も増えていたのです。
18歳以下の子どもがいる共働き世帯は1965年の41%から2014年には71%へと増加。その一方で、子どもと過ごす時間を見てみると、父親は、1965年の週2.6時間から2010年には7.2時間に、母親は1965年の週10.5時間から2010年には13.7時間へと、いずれも増えています。
つまり、現代の働くママたちは1970年代の専業主婦のママたちと同じかそれ以上、子どもとの時間をつくれているのです。
仕事を持ちながら子どもと向き合うとなると、ママの負担は小さくはありません。それでもママたちを突き動かすのは、子どもは母親と一緒に過ごす時間が多いほどよい、という“常識”です。
近ごろアメリカで行われた調査では、「母親が外で働くことは子どもたちにとって有害である」と答えた人の割合が40%を超えました。多くの人が、母子の時間が減ることは子どもの成長にとってマイナスであり、だから母親が働きに出るべきではない、と考えているのです。
■小さい子どもに最も大事なのは量ではなく質!
小さい子どもにとって親子の時間は多いほどよいのでしょうか? ママはできるだけ働かず、家にいた方がいいのでしょうか?
研究は、「その必要はない」と答えています。3~11歳の子どもの場合、両親と一緒に過ごす時間の長さと、学校の成績や行動・感情の発達との間に有意な関係はなく、思春期の心理的な発達への影響も小さかったというのです。
「研究で示された20のデータのうち、19のデータが“両親が子どもと過ごす時間の長さと子どもの心身の成長は無関係”と証明しています」と、研究主任を務めたトロント大学の社会学者、メリッサ・ミルキー博士は説明します。
もちろん、母子の時間が大切なことはいうまでもありません。これまでも多くの研究が、本の読み聞かせをしたり一緒にご飯を食べたり、一日の出来事をおしゃべりするといった親子の時間と子どもたちの心身の健やかな成長には関係がある、と示しています。
しかしミルキー博士らの研究は、時間の“長さ”はそれほど重要ではない、としているのです。
■親子の時間の価値が高まるのは思春期だった
ミルキー博士は、「両親と過ごす時間の長さが意味を持ってくるのは、むしろ子どもが思春期になってからです」といいます。
研究では、1997年と2002年のデータで分析を行い、それぞれ3~11歳、12~17歳の子どもたちについて、親たちが“積極的にかかわった時間”、そして親が“そばにいたものの子どもと積極的にかかわらなかった時間”の割合を調べました。
その結果、3~11歳では有意な関連が見つからなかったのに対し、12~17歳ではプラスの効果が見られたのです。週あたり6時間、両親が積極的にかかわっていた家庭の10代の子どもたちは、薬物やアルコールに手を出すなどの、違法な行為をすることが少なく、数学の成績もいい傾向がありました。
ミルキー博士は「少ない時間であっても、親子でどう時間を過ごしているかはとても重要です」と指摘します。
2003年以降、日本でも共働き世帯が増え続けています。「子どもとの時間を十分に作ってあげられていないのでは……」と悩むよりも、一緒にいる時間だけでもしっかりと子どもに向き合ってあげることが大切なのですね。
食事の時間や食後の団らん、お風呂など、生活のなかで小さなチャンスを捉えて子どもと向き合っていきたいものです。
(文/よりみちこ)
【参考】
※Making time for kids? Study says quality trumps quantity-The Washington Post