まずは最悪にフォーカス!不幸な時でも「前向きになれる考え方」 (2/2ページ)
そこでNPO法人「若者就職支援協会」を立ち上げ、現在はキャリアコンサルタントとして多くの若者と対話しているというわけ。
■黒沢さん流「幸せ」の考え方
そして注目すべきは、数々の不幸を体験してきた著者の「幸せ」に対する考え方です。今の仕事に就き、幸せに暮らしていられるのは、強い精神力があったからでも、ポジティブ思考のおかげでもないというのです。
いったい、それはどういうことなのでしょうか?
著者のことばを借りるなら、それは「幸せを追求しよう」と考えることをやめたから。
「やりたいこと」はできなくて、「夢」や「希望」も持てないもの。最初からそう考え、「絶対にこれだけは嫌だ!」というものだけを設定し、そこから逆説的に考えれば、幸せだと思えることの選択肢が広がるということ。
著者はそれを「ネガポジ・メソッド」ということばに置き換えていますが、つまりどんなことでも、まずはネガティブ(最悪)なことにフォーカスする。
そうすれば、そのこと以外のすべてを「ポジティブなもの」ととらえられるようになる。
そこまで考えを進めることができれば、「ネガティブ以外=ポジティブな選択肢」となり、「最悪な人間ではない自分」と共存できるという考え方です。
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不幸な経験をしてきた人は、とかくマイナス思考に陥りがち。そんななか、この著者が突出しているのは、めちゃめちゃ前向きで明るいことです。
だからこそ、心に強く訴えるものがある。読んだ人はきっと、生きていく力を実感できるはずです。
(文/印南敦史)
【参考】
※黒沢一樹(2015)『最悪から学ぶ 世渡りの強化書──ネガポジ先生 仕事と人間関係が楽になる授業』日本経済新聞出版社