自動車の車輪をカーボンファイバーでつくる新技術

FUTURUS

自動車の車輪をカーボンファイバーでつくる新技術

ホイールにカーボン、というのは競技用自転車では珍しくない。しかし大きくて重い自動車用としてはどうだろうか。すでに自動車のフレームや外装にカーボンが使われることが多くなってきたが、ホイールもカーボンにしようという動きが加速している。


■ カーボンファイバー素材とは

通常ホイールに使われる素材は金属である、鉄、アルミニウム、そしてマグネシウムといったものであった。製法は鋳型に金属を溶かして流しこむ「鋳造」、インゴットと呼ばれる塊を数千トン以上のプレス機で一気に伸ばし、それを回転させながらリムを作り、最後に削ることでデザインを完成させる「鍛造」がある。どの素材を使ったとしても金属であればその金属が元々もつ強度、特性がそのまま反映される。強度計算も理論的に可能だ。

カーボンファイバー、炭素繊維素材と呼ばれ、その製法はまさに繊維といっていい。布は素材が同じでも柔らかい硬いがあるように、実はカーボンファイバー自体の強度は計算式では求められない。というのも製造方法で大きく異なるからだ。ポルシェのハイブリッドスーパーカー918はカーボンボディを採用したが、当初予定していた工場でのカーボンシェルを他の工場のカーボンシェルにしたところ、まったく同じ形状ながら大きく剛性が向上したという。そのため工場を変更、デリバリースケジュールに影響が出たがパフォーマンスを優先させたという裏話があるほどだ。

■ カーボンホイールのメリット

カーボンのメリットは「軽量」かつ「高剛性」である。旅客機ボーイング787でも採用され、そのカーボン素材提供に日本企業が大きく貢献しているのは有名だ。ボーイング787の場合、燃費に寄与し、経済的であるとされている。

自動車用ホイールの場合、軽量・高剛性なのはハンドリング面での性能向上に寄与する。これまで鉄からアルミ、そしてマグネシウムと軽量化が計られてきたが、カーボンは現在考えられる最高の軽量化素材であろう。カーボンホイールを製造する Vitesse AuDessus はフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンといったスーパーカー向けにカーボンホイールを提供している。


■ カーボン製法方法はF1と同じ

Vitesse AuDessusが製造するカーボンホイールの製法はF1やスウェーデンのスーパーカーメーカー、ケーニグセグが使うものと同じ。カーボンファイバーをレジンに最適な割合でしみこませ、型に入れて形状を作った上でオートクレーブと呼ばれる高温・高圧の釜で焼くというもの。焼いたあとは厳しい検査を行い、最高品質のものだけが供給される。

Vitesse AuDessusは100年の歴史を持ち、航空産業でも活躍しているだけに品質は折り紙つきだ。耐久性も万全で、5年間保証付き。ホイールだけではなく、ベアカーボンボディを提供しておりその輝きは艶めかしい。


■ カーボンの普及

軽量化に最適なカーボン素材ではあるが、量産化は課題だ。どうしても高温・高圧で何時間も焼く工程に時間がかかり、少量高級素材となってしまう。しかし昨今はこの工程を圧倒的に短縮する技術開発が進んでおり、数分でできるようになるという。そうなれば、大衆車までカーボンボディが普及する可能性がある。カーボン技術はこれからさらに熱くなるに違いない。

「自動車の車輪をカーボンファイバーでつくる新技術」のページです。デイリーニュースオンラインは、ネットなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る