環境へのインパクト減!米国スーパーで定着する「ゴミを出さない売り方」
全米に300店舗以上、カナダやイギリスにも店舗を広げている、米国のスーパー『Whole foods Market(以下 ホールフーズ)』では、以前から野菜からお米、豆類、ドライフルーツ、そして惣菜類までバルク売り、いわゆる量り売りをしている。日本のようにプラスチックトレイでパッケージされた商品は見当たらず、お客さんは、欲しいものを好きな量だけを袋に入れてレジに持っていく。もちろん、パッケージはリサイクル可能な紙袋や、生分解するプラスチック袋、ガラス瓶などを使用している。
ホールフーズは、ローカルフードを大切にし、遺伝子組み換え食品を扱わず、オーガニックな農家や作り手、フェアトレードを応援するなど、環境と健康を考えた店づくりで食に対する意識の高い層をとらえ、大きな成功をおさめている食品スーパーである。

人気の惣菜ももちろん量り売り。(ポートランド市内のホールフーズマーケット)
環境に配慮した食品を売るお店だからこそ、売り方やパッケージにまでこだわるのは自然な流れだ。たとえばナッツやお米でも数十種類がサーバーに入って並ぶ様子は、壮観ですらある。ディスプレイとしても非常にインパクトがある。少しの手間はかかるが、お客さんも慣れたものである。必要な量を自分で量って買うのは、合理的にさえ見える。
■ 海洋ゴミの渦が海洋生物を危険にさらす

1枚の生分解できる袋だけで済めば、海がもっときれいになるはず。
このように、米国のスーパーが包装材の削減に力を入れるのには、プラスチック製の海洋ゴミの問題が大きくクローズアップされている背景がある。海に流れ出るプラスチックゴミは、1年間で千万トン以上が流出しており(米国科学振興協会2011年)、太平洋や大西洋などにも直径数千キロの巨大なゴミの渦があることがわかっている。それが海洋動物に、また食物連鎖で生態系に与える影響ははかりしれない。
このようなことを背景に、環境意識の高い米国サンフランシスコ市では2007年にプラスチック製の包装材やレジ袋を全面的に禁止し、今年は600ミリリットル以下のペットボトルについて、公共の場での販売を禁止する条例を可決している。
レジ袋禁止条例施行前は、サンフランシスコ市で1億枚のレジ袋を使用していたが、施工後の調査で、約 50%のプラスチックを削減できたことが判明している。この成果をふまえ、カリフォルニア州の他の市でも導入または導入検討をしている。
■ 800種の食品を量り売りする「レインボウ グローサリー」

野菜売り場の中心には存在感のある量りがある
サンフランシスコ市のミッション地区にある『レインボウ グローサリー』では、その量り売りがさらに徹底されている。ここでは野菜、豆類、穀物、珈琲、味噌、シリアルといった800種類ものベジタリアン向け食品が量り売りされている。 ここで購入することは、まるで市場にいるようなライブ感があり、パッケージ商品を手にするよりも、リアルに真摯に食品と向き合える。
1975年創業の老舗のグローサリーストアだが、環境への配慮は徹底している。量り売りされている商品はオーガニックであることはもちろん、独立したローカルな生産者からのものを中心に扱う。店内は照明をなるべく減らし、自然光を取り入れ、太陽光発電と太陽熱利用がされ、お店から出る生ゴミはコンポストに生まれ変わらせる。

スパイス類はその種類に圧倒される
環境へのインパクトを最低限に減らすというお店全体での姿勢は、買い物を通じてお客様にも伝わり、共感を呼んでいるように思える。
日本でも昔は、小売店で味噌やお米の量り売りをするのが一般的だった時期もあった。今やプラスチック包装材とペットボトルを合わせると年間11万トン(平成26年環境省発表)ものゴミが出ている。レジ袋の持参は定着したが、食品を包むプラスチック包装材は過剰に使われているといっても過言ではないだろう。
米国の例を見るように今や、量り売りは意識が進んでいるお店の印象を与えるはずだ。日本でも新しい視点で量り売りを見直し、できるだけ包装材を減らした売り場が増えることを望まずにはいられない。