「デスノート」炎上マーケティングが成功!? 視聴率が二桁台に回復も「燃料切れ」の心配
ドラマ『デスノート』(日本テレビ系)の第6話が9日に放送され、平均視聴率が10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことが分かった。前話で視聴率8.2%の自己ワーストを記録し、このまま一桁台に落ち込んでしまうのかと危惧されたが、再び二桁に盛り返している。
最近のドラマの大半は、一度数字が落ちると転げ落ちるのみ。なぜ『デスノート』は土俵際から復活する不思議な乱高下を繰り返しているのか。
大酷評でも「炎上」で話題性維持
大人気コミックを実写ドラマ化した同作をめぐっては、放送当初から悪評ばかりが目立っていた。原作では「天才」だった「キラ」こと主人公の夜神月(窪田正孝)が平凡な大学生に設定変更され、ライバルのL(山崎賢人)は頭脳派から肉体派ナルシストに。さらに「第2のキラ」と呼ばれる“ミサミサ”こと弥海砂(佐野ひなこ)は原作キャラとあまりにイメージが違うとして「ブサブサ」などと呼ばれる事態になっていた。
初回こそ平均視聴率16.9%と今年一番の数字を叩き出したが、それ以降はダダ下がり状態。原作ファンに見切りをつけられ、一般視聴者からも「つまらない」と判断されたのではないかといわれていた。しかし、前述のように何とか二桁台に復活。この復活劇の要因は様々ありそうだ。
第6話では、ある意味で「最大の見せ場」といわれていたミサミサの拷問シーンがあった。人気グラドルの佐野が演じるとなればお色気が期待できるため、それが数字に反映したとの見方も。また、今まで凡人だった主人公がLや警察の目をごまかすため、絶妙のタイミングでデスノートの所有権を放棄するなどといった天才ぶりを発揮し、原作寄りのキャラクターになったことも高評価されたのではないかとファンの間で指摘されている。
実際のところ、それが視聴率回復の起爆剤になったのだろうか。
「ミサミサの拷問シーンは原作を忠実に再現していたのですが、視聴者からは『今いち萌えない』『全然エロくなかった』などと不評のようです。2006年の映画版で戸田恵梨香がミサミサを演じたときは原作よりも過激なシーンに仕上げていたのですが、それと比較されると厳しいですね。また、月が原作寄りに変わったのも唐突な印象。次回予告で原作の名ゼリフ『計画通り』とつぶやくシーンは非常に再現度が高く、これなら最初から原作通りにすれば良かったのに……と感じます」(テレビ誌編集者)
いずれも視聴者を引き戻すほどの効果があったかは疑わしいようだ。であれば、何が数字を押し上げているのか。
「業界内で最も有力といわれているのが『炎上』の話題性です。大半のドラマは最初だけ話題になって徐々に注目度が下がっていきます、しかし、同作は放送するたびに『設定改編が酷い』『Lの演技がキモイ』『ミサミサがブサブサ』などとネット上で大きな話題になっている。たとえ悪評でも話題になれば話のネタに視聴したくなるのが人情。特に同作は10代~20代の視聴者がメインターゲットですから、ちょうどネット世代と合致するので宣伝効果として抜群です」(同)
制作サイドが「計画通り」と狙ったわけではないだろうが、結果として“炎上マーケティング”が成功しているようだ。
もっとも怖いのは「炎上のネタ切れ」
今クールの連ドラは『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)以外は全て一桁落ちという悲惨な状態。このまま『デスノート』が10%前後を推移すれば十分に成功作となる。
そのためには話題性の維持が重要だが、怖いのは炎上が止まってしまうことだ。
第6話の放送後、ネット上では「そんなに悪くない」「意外と面白い」といった好意的な意見が目立つようになってきた。主人公のキャラが原作寄りになったり、作品のキモである頭脳戦が本格化してきたことが高評価されているようだ。
だが、これが命取りになりかねないという。
「作品のデキの良さで評価されるのが一番いい。しかし、全体的に見ると安っぽい画面づくりや出演者の演技力のバラつきなど、とても名作になるとは思えない状態。中途半端に視聴者に評価されるようになれば炎上要素が減って話題性がなくなり、かといって作品のデキでは視聴率を維持できそうもないので結果的に数字が落ち込んでしまうでしょう」(同)
終盤に向けて物語は佳境に入っていくが、作品の魅力で視聴者を呼び戻すのか、それとも炎上マーケティングで数字を維持するのか。はたまた、いずれも上手くいかず撃沈してしまうのか。ここまで「ツッコミ」を入れながら楽しめるドラマも少ないだけに最後まで見守りたい。
(取材・文/佐藤勇馬)