多くの病気の遠因になるほか、より身近な危機としては生活習慣病を悪化させることにつながる“肥満”。年齢を重ねるとともに体の基礎代謝量が減少し、体脂肪が増えていってしまうのが原因だ。
そんななかイギリスで、肥満の人や太り気味の人、あるいは体脂肪増加の兆候が現れている人にとって、無視できないある研究結果が発表された。
イギリスの健康診断書を基に、キングス・カレッジ・ロンドンのチームが進め、学術専門誌『American Journal of Public Health』に掲載されている論文によると、肥満の人が標準体型に戻ることができるのは男性で210人に1人、女性で124人程度、と非常に難しいことが示されたというのだ。
■ 5%の体重減少は一見簡単そうだが……
データにはイギリス国内における2004年から2014年の期間の「電子健康記録」を使い、27万8,982人(うち男性12万9,194人、女性が14万9,788人)の体重を追跡。肥満患者が標準体重を実現したり、5%の体重減少に成功する確率を調べたという。なお、減量手術を受けた患者は対象外とした。
まず5%の体重減少については、男性で12人に1人、女性で10人に1人の割合で達成。ただ、これらの人のうち53%が2年以内に体重を戻してしまったといい、5年以内ではこの数字が78%に上る。総合的にはBMIが30~35の対象者のうち、男性で210人に1人、女性で124人に1人が標準体型に到達。BMI40以上の重度の肥満の対象者では、わずか男性1,290人に1人、女性677人に1人が標準体型を達成した。
■ 一度肥満になると健康な体型に戻るのは難しい
また、体重の増減サイクルも患者の3分の1以上に見られたといい、今回の研究は次のように結論付けている。すなわち、イギリスでは総合診療医を通じた体重管理プログラムとして提供されている現在の処置は、大多数の患者が落とした体重を維持するのに失敗している、というのだ。