筆者のマネー相談において、「年金がもらえるか心配」「老後、ちゃんと暮らしていけるだろうか……」と老後に不安を抱える20代、30代の方が増えてきました。
確かに、楽観視はできない状況です!
総務省統計局が発表した『家計調査報告(平成26年)』によれば、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は毎月61,560円の赤字、高齢者単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)では毎月41,516円の赤字となっています。
つまり、老後は公的年金だけでは賄えず、“貯蓄を切り崩す”必要があるのです。
今回は、ファイナンシャルプランナーである著者が老後貧困に陥らないために、今からやること、やってはいけないことについてお伝えしていきます。
■老後までに、いくら貯蓄が必要?
ライフスタイルや持ち家の有無によりますが、「60歳の時点で、3,000万円を目指して貯蓄しましょう」とお伝えしています。
3,000万円の内訳に退職金を含めて頂いてもかまいません。
なぜ、3,000万円かと言いますと、上記統計にて、
夫婦世帯の場合、毎月の不足分が61,560円ですから、年間の不足分は約74万円、
単身世帯の場合、毎月の不足分が41,516円、年間は約50万円の不足となります。
夫が80歳、妻が85歳まで生きたと過程しますと、
・74万円×15年=1,110万円
・50万円×5年=250万円
合計1,360万円が最低限の生活を維持するために必要なお金となります。
それ以外に、医療費(400万円)、自宅の修繕費(500万円)、家電製品・車の購入など大型出費(300万円)予備費(500万円)、などを考えると、プラス1700万円で、“トータル3,000万円“となります。
シングルの方も、介護の事などを考えると、同じ位必要になってくるでしょう。