明治大学教授・斎藤孝「世阿弥やニーチェと話してみたいと思いませんか?」~読書で鍛えた人間力

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明治大学教授・斎藤孝「世阿弥やニーチェと話してみたいと思いませんか?」~読書で鍛えた人間力

「世阿弥やニーチェと話してみたいと思いませんか?」

最近は、インターネットの発達で、メールやSNSなどを通じて、同じレベルの人同士で関わり合う時間が非常に長くなっています。

確かに同じ価値観を持った人同士での会話は楽しいものです。でも、私は、そのやり取りだけで時間が過ぎてしまうのはとてももったいないと思うんですよ。
もっと自分のまったく知らない世界を旅するとか、文豪のような"巨大な人"の話を聞くとか、自分の知らない価値観にふれるっていう時間がとても大切なのではないかなと。

たとえば、サッカーでいえば、メッシやクリスティアーノ・ロナウドなど世界の一流選手と一緒にプレーしてみたいと思いますよね? 人間として生まれたからには、世阿弥や、ニーチェと話してみたいと思いませんか?

それを簡単に実現できるのが、僕は読書だと思うんです。
"ゲーテの話を10時間、聞けます"っていったら、何十万と払う人はいっぱいいると思うんです。ただ、書店に行けば、『ゲーテとの対話』という本が1000円くらいで売っている。ライブではありませんが、想像力を働かせれば、自分に語りかけているようにも読めますよ。

そういった本を何度も読み返すうちに、その人の思想が自分の中に入り込んでくる。特に、著者になりきったつもりで、本に書かれていた内容を人にしゃべっていると、著者が他人に思えなくなってくるんです。
色んな本を読んでいくと、どんどん自分自身の内面に、いろんな偉人たちが住み込むようになっていくんですよ。だから、人間力っていうのは、僕はどれだけ多くの他人を自分の中に住まわすことができるかということだと思います。

僕自身が、読書の魅力に気がついたのは、中学生のときでした。勝海舟が人生の知恵を語っている『氷川清話』という本があるんですが、そこでは、歴史上の人物である勝海舟の優れた人物観察眼を目の当たりにできるし、この連載のテーマである人間力というのも、どういう人が、人間力があるのかが、これを読むとわかるんです。普通の生活を送っていたら、勝海舟の話なんて絶対に聞けませんよね。その本を1年間、常にカバンの中に入れて持ち歩いて、暇を見つけては読んでいました。

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