サモア代表に対しては、とにかくボールを持たせて5m以上走らせない事。天性のものであろうハンドリング技術と、ステップワークには世界のトップチームが翻弄されてきた。日本代表とて同じである。それをこの試合では、日本代表の特徴である「殺すつもりでいく低いタックル」で潰す事に成功。ランキングが上のサモアだけに、もしかしたら日本は負けるのではないかと、危惧していたが持前の精神力でサモアの猛攻を抑えたのは特筆すべき。
※因みにラグビーのルールをご存じない方は、よく観戦ハードルが高いと言われるが人と人のぶつかりあいを単純に堪能し、「ボールを前に落としてはいけない。前に投げてはいけない」という最も分かりやすい反則だけ頭に入れて観てはいかがだろうか。
前回のスコットランド戦では、激闘の南アフリカ戦から中三日しか置かないで臨んだ為、恐らく疲労が残っていたに違いないと思われる。が、今回は休みを取り、またスターティングメンバーも変え、疲労にも対応。
この試合を録画でご覧の方がいらしたら、まず右ウィングの山田選手の前半最後のトライに注目してはいかがだろう。山田選手は前半でもボールを持って、突破を図ったシーンがあったが、「腰が強く中々倒れないな」という印象を抱いた。そして、トライシーン。流れの中で一対一(正確には横から相手が追い付いてきた)になる。この場面こそ、ウィングの見せ場である。
よく一対一になった時、「勝負!」とか「勝負しろ!」と試合中でも選手が声をかける時があるのだが、ウィング対ウィング、ウィング対フルバックという「一対一」の場面ではステップを踏んで外を抜くのが一番「美しい」とされている。「勝負」はラグビーの醍醐味の一つだ。山田選手も勝負した。タックルを振り切ったのは持前の「粘り腰」だった。そこからダイビングしてのトライは「トライゲッター」のウィングらしいトライだった。
今回の日本代表選手の特徴として、タックルした後、すぐ立ち上がり寝ている選手がほとんどいないというタフネスさが挙げられるが、山田選手も後半、タックルした後またタックルにいった。その際、相手の膝がテンプルにあたったのか、失神状態のまま退場してしまった。