長い間「働きすぎ」といわれ続けてきた日本人。ことし1月に発表された日本労働組合総連合会の調査によると、日本の正規労働者の1日の平均的な労働時間は8.9時間。一般社員の6割が「残業を命じられることがある」と答えています。
そんな状況を打開する方法のひとつが時短勤務ですが、日本ではなかなか定着していないのが現状です。
そんななか、賃金はそのまま勤務時間だけを短くする試みが、早くから行政や各地の企業で試験的に行われてきた「時短勤務先進国」がスウェーデンです。
イギリスの報道機関『ガーディアン』を参考に、スウェーデンの事例から時短勤務の可能性を考えてみましょう。
■時短勤務は「高い給料より魅力的」だった!?
スウェーデンのとある公営老人ホームで6か月前、看護師たちに対して時短勤務が導入されました。給料は減らすことなく、1日あたり8時間勤務だったシフトを6時間に短縮したのです。給料がそのままというところは、福祉に厚い北欧ならでは。
6か月後、看護師たちのストレスは減り、より精力的に仕事をするようになりました。入居者へのケアの質も向上し、スタッフの生産性もアップ。離職率も著しく低下するなど、効果はいろいろなところに現れています。
人材獲得の面でも、時短勤務のメリットは大です。
スウェーデンのあるインターネットプロバイダ企業では、3年前から時短勤務制を導入し、より優秀な人材を採用しやすくなったといいます。
経営者は「能力の高い人材を惹きつけ、留まらせることは企業にとってとても重要なこと。職を探す人々にとって、ワークライフバランスの観点からこの1日6時間労働制は高いお給料よりも魅力的であることが多々ある」と指摘します。
■時短勤務の課題はスタッフ増によるコスト
いいことづくめに思える時短勤務。雇用する側にとって、もっとも大きい課題はコスト面です。
1例目の老人ホームのケースでは、この時短シフトで仕事を回すため、14人の新たなスタッフが雇い入れられ、人件費が増加しています。