ノーベル賞受賞のニュースで耳にする「ニュートリノ」。宇宙のナゾを解く偉大な発見!と報じられていますが、なにがスゴいの? と思っているひとも少なくないでしょう。
ニュートリノは地表に絶え間なく降り注ぐ素粒子で、1平方センチあたり毎秒660億個! と日常的な存在。ただしほかの物質に反応しにくく、極端に小さいため、地球すら突き抜けてしまい観察が困難…いままでは「重さがない」と考えられていました。ところが、ニュートリノにも重さがあることが解明され、「標準」としてきた理論が根底から覆される結果となったのです。理論をもう一度見直せば宇宙のナゾが解けるかも?と期待が寄せられているのが「真の功績」なのです。
■原子よりも小さい「物質粒子」
「もの」を分解してゆくと原子になるのは、理科の授業で習ったことと思います。H2Oで表される水は2つの水素+1つの酸素となり、原子はこれ以上分解できない、と教わったひとも多いでしょう。ところが実際は、
・原子核
・電子
・陽子
・中性子
の4つで構成され、これらの「数」によって性質が決まります。つまり水素もヘリウムも酸素も、もとをたどれば同じ材料から作られているのです。
これらをさらに分解すると素粒子の一種「物質粒子」になり、
・分類 … レプトンとクォークの2種類
・世代 … 第1から第3の3種類
の計6つのグループ、各グループに2つ、で計12種類が存在します。これらの組み合わせによって、
・陽子 … アップクォーク2個 + ダウンクォーク1個
・中性子 … アップクォーク1個 + ダウンクォーク2個
が作られています。つまり物質粒子こそが「もの」の最小単位なのです。