ヨーロッパの晩秋。夕方の早い時間から日が暮れ始めるこの季節。
この時期、ヨーロッパの街の風景を楽しむことが好きな方にとっては、気軽に歩き回ることができる日中時間が少なく、少々物足りなく感じるかもしれません。
一方で、寒くて澄んだ空気の中、少しずつクリスマスのイルミネーションが始まり、日没後の街は、普段とは違った格別な美しさを醸し出します。
この今の季節ならではの光景を楽しみたいものの、日が暮れた後の暗い中を歩くのは、少し不安という方にお勧めなのが、トラム(路面電車)で行く夜の「お散歩」です。
ヨーロッパの大きな町の多くで、トラムは今も重要な市民の交通手段として重宝されています。トラムが、美しい中世の建造物が立ち並ぶ狭い石畳の道路を縫うようにして走る様子は、1つの名物風景でもあります。
またトラムは道路上を走るため、乗っていると、街の風景や人々の様子をとても近い位置で見ることができます。見どころとなる観光スポット近くを走ることも多く、旅行者にとっても絶好の乗り物です。
こうして、日が暮れた夜、ライトアップされた綺麗な町の光景を、間近に楽しむことができるトラム。そこで今回、世界で有名な雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』が選んだ「世界で最も美しいトラムとその風景」トップ10となった、アムステルダムのトラムライン2に乗ってみました。
このアムステルダムのトラムライン2は、1903年に運航が始まりました。時を経て多少停車位置は変わりつつも、アムステルダム中央駅を始発として、アムステルダム南部へと走り抜けています。