ウルトラマンもステージに登場!「ウルトラマン シンフォニーコンサート2015」

宇宙に一台のウルトラヴァイオリンも

「オーケストラが“歌を歌う”ようになれば素晴らしいことと思うので、そこを一番心がけた」

 指揮者・矢澤定明は語る。 2015年11月、東京芸術劇場コンサートホールにて、ウルトラマンシンフォニーコンサート2015が開催された。

 2013年に円谷プロダクションが50周年を迎えるタイミングで行われたコンサートから、2年ぶり。オーケストラのバックに歌手を使った前回とは違い、今回はすべて楽器の音で演奏が作られた。

「なるべくテレビで聴いたものと違わないものを提供するのが、僕らの仕事かな。オーケストラだからって、いつものメロディが全然聴こえず“歌えなかった”って言われると、やっぱり夢を壊しているということなので」

 ウルトラマンの脚本・監督を手掛けた飯島敏弘に「絢爛たる世界」と絶賛されつつ、ちゃんと“歌える”演奏を届け、舞台に訪れた数々のファンを魅了した今回のコンサート。その全貌をお伝えしていこう。

フジ隊員、「長くお付き合いされてますよね」の言葉に思わず赤面?

 オープニングの「ウルトラマンの歌」「ウルトラセブンの歌」メドレーの後、登壇したのは司会進行役のWOWWOWアナウンサー・吉年愛梨。そして、『ウルトラマン』でフジ・アキコ隊員を務めた桜井浩子。今回の全舞台でMCを務める2人だ。

「桜井さんはウルトラマンとは長くお付き合いされてますよね」まるで夫婦仲を羨むような司会の言葉に、思わず照れ笑いをこぼす桜井。「長いですよ。やっぱり生の演奏は素晴らしいですね。さっき舞台袖で歌っていましたよ」と答えていた。

 今回の舞台で演奏されたのは、ウルトラマンシリーズの楽曲だけではない。円谷特撮メドレーでは、「ウルトラQ」、「怪獣ブースカ」「ミラーマンの唄」などが演奏された。 中でも『マイティジャック』の楽曲はオーケストラで演奏される機会がなかなかないという。来客を取材してみると、「これが聴きたくて来ました。今回初めて、あれだけ長いバージョンが聴けてよかったです」(62歳・男性)との声も上がっていた。

新監督・田口に、「泣け!」と言い放つフジ隊員

 3番目の演目は、新世代ウルトラヒーローメドレー。ウルトラマンゼロ・ギンガ・Xと、新しい時代を担う3人のウルトラヒーローのテーマソングをまとめたものだ。 演奏に先駆けて名前を呼ばれたのは、現在テレビ放送中の『ウルトラマンX』のメイン監督を務める田口清隆。フジ隊員こと桜井に「アガってる?」と指摘され、「アガってます! さっきオープニング映像に自分の名前が出ていて、膝が震えてしまって……」と緊張をあらわにした。

 田口監督が語ったのは、オーケストラの舞台の背後に設置された、大型のモニターが映し出す映像について。一番目の「ウルトラマンの歌」では、当時のテレビ放送の背景映像のまま、番組スタッフやキャストなどの名前がすべて今回の演奏者・登壇者の名前に差し替えられたものが流された。田口監督には、このことを当日まで知らされていなかったようだ。

『ウルトラマンX』で初めて作品のメイン監督を務めたと言う田口監督。設定やキャスティングなど作品を作っていく上で「やってみて初めて知る苦労がいっぱいありました」と語る。

 フジ隊員「(Xの演奏を聴いたら)泣いちゃうかもしれないね」 田口監督「泣いちゃうかもしれないですね」 フジ隊員「泣け!」

 監督と元ヒロインと言うより、若手隊員と先輩隊員のようなやりとりで観客の笑いを誘った。

監督をやる予定じゃなかった? 歴代監督・飯島敏宏の意外すぎる過去が明らかに

 4番目は「ウルトラ警備隊の歌」や「ワンダバUGM」を収めた、特捜隊メドレーである。ゲスト登壇したのは、円谷特撮作品を多く監督した飯島敏宏。並びに『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』を初めとするウルトラマンシリーズの主題歌や、劇中音楽の作曲を多数手がけた冬木透だ。 フジ隊員から思い出に残っていることを尋ねられ、飯島監督の口からは意外な言葉が飛び出した。

「初めて申し上げますけどね、ウルトラマンの監督の予定に僕はいなかったんです。臨時なんです。その臨時が、いま50年も経ってこんな話をしていて、自分でもビックリしている」

 もともと『ウルトラQ』の脚本をやりたくて円谷プロに出向したという飯島監督。初めて映像を撮りたくなったのは、『ウルトラQ』第19話の『2020年の挑戦』からだそう。 また当時の苦労に話が及ぶと、「ウルトラマンの最初の脚本を書いたとき、主題歌が脚本の後に出来てきて、それを見たら『自慢のジェットで敵をうつ』という歌詞が出てくる。『ジェット』って、ジェット機のことかな? そんなの知らなかったけど、大丈夫かなこれ、って……そんな風にうろたえながらやっていました」とも語った。

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