人間とは長い歴史を持つ「ペット」。親がペットをかわいがる環境で暮らすと「やさしい子」に育つのはご存じでしょうか?
小学校・高学年を対象にした調査では、親が世話をする姿をみて暮らすと、やがて自分も世話をするようになり、これをきっかけに「共感」や「社会性」を身につけた優しい子に育つことがわかりました。ただし金魚や熱帯魚などよりも犬のほうが効果あり、女の子には影響なしなので、男の子が生まれたら犬と暮らすのが良さそうです。
■共感性を育てるペット
人間と犬の関係は長く、3万年前からともに暮らしていたと考えられています。名前も「いる」が「いぬ」になったとする説が強く、つねに人間のそばで暮らしていた、と考えるのが自然でしょう。現代の研究では、ペットを育てる経験があると、子どもは共感性や社会的行動が高まることがわかりました。つまり「優しい子」に育つのです。
小学校・高学年およそ250人を対象に調査したところ、
・家族が世話をすると、自分も世話するようになる
・親のペットに対する愛情が深いほど、自分も愛情深くなる
と、親をマネて自分もおこなう「共感性」が高まることがわかったのです。
共感は、他人の感情を共有することですから、相手がどんな気持ちか、なにを望んでいるのかが理解できない限り共感はできません。極論すれば「空気読めない」KYは、まさに共感能力の欠如と表現できます。対して共感性が高いひとは、相手を理解しようとしていることの表れであり、良い関係を築くことができます。ペットが子に与える影響はまさにこれで、他人を助けようとするなど積極的に接する「向社会的行動」として現れ、優しい子になるきっかけになることがわかったのです。
■効果は「男の子限定」?
どんなペットでもこの効果が得られるのでしょうか? 実験では金魚よりも犬のほうが高いスコアとなり、残念ながら同等とはいえない結果となっているのです。