映画監督・紀里谷和明「映画の力ってすげえなって思うんです」~困難に挑戦する人間力

| 日刊大衆
映画監督・紀里谷和明「映画の力ってすげえなって思うんです」~困難に挑戦する人間力

「人は欲しくない物はいっぱいくれますけど、本当に欲しい物は与えてくれない。だから自分で取りに行くしかないんです」
俺、週刊大衆さんのファン層から絶対に嫌われていると思うんですよ。
宇多田ヒカルと結婚したやつとか、スカしたやつだってイメージがあるんですかね。実際に会って嫌われるんならしょうがないですけど、会ってもいないのに、嫌われるのは、そりゃあ傷つきますよ。俺自身は、40代、50代の男性層に好きになってもらいたいんです。本当に。
以前に撮った『CASSHERN』、『GOEMON』だって、日本映画界から"こんなの映画じゃない"と散々言われて、めちゃくちゃへこみましたよ。毎回、"死んだら寝られるな"って思いながら撮影していて、それをボロクソに言われるわけですからね。
今回、撮った『ラスト・ナイツ』だって、撮影は辛かった。プレッシャーが半端じゃなかったですから。モーガン・フリーマンやクライヴ・オーウェンとトップ俳優が出てくれたんですが、彼らのスケジュールは限られていますから、撮りこぼしは絶対に許されない。それなのに、途中、何回も現場が止まりそうになったし、撮影地のチェコは気温がマイナス20度とかで、機材も凍っちゃって、そのなかで12時間撮影。体力も気力も極限で、冗談抜きで死んじゃおうかなって思っていましたよ。
そんな状況ですから、確かに、苦しい。でもやっぱり、なんだかんだ楽しい。300人くらいのスタッフがいて、みんなでいい作品を撮ろうと一つの目標に向かって、一緒に何かするっていうのは、金では買えない経験ですからね。
これ、よく言うんですが、映画の現場って物をつくる軍隊なんですよ。本当の軍隊は物を壊すから好きじゃないんだけど、こっちはつくる軍隊だから、絶対、楽しい。それに、映画の力ってすげえなって思うんです。地方に仕事で行ったときに、外で飯を食っていたら、おじさんが"映画観ました!"って声かけてくれるんですよ。あと、海外への入国審査のときに、職業を聞かれて映画監督と答えると"何を撮ったんだ?"って言われて、『ラスト・ナイツ』の名前を出すと、"観たよ!"って。映画ってそれほど届くんですよ。それって、すさまじいことだと思うんですよ。
だから、もはや中毒、映画を撮ることが。でも、リスクも大きい。

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