[やまもといちろうのとっておき時事放談]

ヤクルト・バーネット投手がMLB移籍ならず…ポスティング選択に隠された思惑|やまもといちろうコラム

ポスティング選択の裏には何があったのか(写真はイメージです)

 山本一郎(やまもといちろう)です。地味に楽天イーグルスやMLB某傘下チームのデータをいじっています。

 美談として伝わっていたヤクルトのトニー・バーネット投手、残念ながらMLB各球団からポスティングでの入札はなくMLB移籍はならなかった模様です。まだ確定ではないかもしれませんが、似たような話は別からも聞いていたので、たぶんメジャー契約で挙手する球団は無かったのでしょう。本稿では、12月5日現在で「メジャー契約できなかった」という情報を元に、記述したいと思います。

ヤクルト・バーネット、ポスティングで米移籍ならず

 オフィシャルの立場もありつつも、あくまで本件について個人的な見解として述べるならば、バーネット投手は成績や画像診断では充分にMLBでの活躍はブルペン(中継ぎ)であれば可能じゃないかとは思っています。マウンドの柔らかいNPBでの成績は参考数値に過ぎないとはいえ、現在メキシカンや独立リーグからAAA、あるいはMLB契約すると見られる選手と比べて必ずしも遜色のある数字とは思えません。

 ただし、それらはあくまで「MLB基準」の話であって、32歳のブルペンを採用するのにこの成績で50万ドルのポスティング費用プラス本人年俸を支払って年間のプロジェクションに組み込める登板数、イニング数を確保できるのか、と言われると地味に厳しい数字と思います。平たく言えば、30歳を超えたブルペンを採用するときは、概ね主力と見ているブルペンのバックアップとして採用する、あるいはロースターの下に控える投手としてAAAでまずは契約するか、スプリングキャンプで招待選手として見比べるという事例が多いのです。

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