「ソロ男」とは、想像できるとおり未婚男性のこと。『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』(荒川和久著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)によれば、その数は増加の一途をたどっているのだそうです。
昔と違い、「夫婦と子からなる標準世帯」よりも単身世帯が上回っているのが現代。家族生活者よりもソロ生活者の方が多いわけで、ソロ男こと独身男性も、もはや少数派として片づけられないボリュームにまで成長しているというのです。
だとすれば、そこには「消費」のポテンシャルも生まれてくるはず。
そこで本書では、2014年に立ち上がった「博報堂ソロ男プロジェクト」を通じて得た調査結果を軸として、マーケティングの視点から状況を分析しているというわけです。
■自分に対してお金を使いたい人たち
ソロ男の消費行動を探るにあたって注目すべきは、彼らが「自分に対してお金を使いたい」人たちであるという事実。
たとえばこだわりの強い趣味にお金をかけ、普段の食事を筆頭とする飲食にもお金をかけ、ひとりで旅行に出かけたりもするということ。
一方、お金をかける場面と、節約する場面とを使い分けるメリハリがあるのも特徴のひとつ。主婦のように厳しく商品を選択する眼を持ち合わせていながら、一度気に入った商品は一途に指示する傾向が強いというのです。
つまり企業にとっては、息の長い優良顧客となりうる可能性があるということ。
ではそんななか、ソロ男は今後、モノとは別にどのようなサービスを利用したいと考えているのでしょうか?
■ソロ男が利用したいと考えるサービス
(1)金融系サービス
ソロ男は、生命保険や医療保険についてまったく興味を示していないのだといいます。たしかに生命保険に入ったところで、残す相手がいないのだから当然かもしれません。だから唯一、自分で受け取れる個人年金には多少興味を持っているのだとか。
しかし、だからといってソロ男が生命保険会社のターゲットにはなり得ないかといえば、そうともいえないと著者。