“親殺し”はもっとも罪深き行為のひとつであり、「親を殺したい」という感情を持つことさえもいけないことのように思われるもの。
しかし、そう感じたことは、いままで一度もなかったといい切れますか?
『親を殺したくなったら読む本』(石蔵文信著、マキノ出版)では、7割近くの人が「親の存在をストレスに感じる」というデータが紹介されています。
また、「殺意を覚えるほど、親の存在がストレスになっている人も珍しくない」と、著者の石蔵医師はいいます。中高年の心と体の専門家として、親子関係や夫婦関係を原因とするストレス性疾患を数多く治療してきた人物です。
ちなみにその3大原因は、「子離れできない親からの過干渉」「立派すぎる親に対する劣等感」「親の介護問題」だそうです。決して、他人事だとは思えませんよね。
今回は本書から、親子関係を見なおすヒントをご紹介したいと思います。
■まずは親へのネガティブな感情を認めよう
石蔵医師は、家族間の問題でストレスを感じている患者さんに対して、「親を殺したい」という感情を認めることから治療をスタートするといいます。
ネガティブな感情を持ってしまった自分を責めて感情を抑圧しようとすると、かえってストレスになります。だから、まずは「親を殺したい」という感情を認めてよいのだと説きます。
もちろん実際に危害を加えてはいけませんが、心のなかで「いなくなってしまえばいい」と思うのは自由なのです。
なお、「精神的な親殺し」は男子の成長における通過儀礼であると石蔵医師はいいます。思春期に息子が父親に激しい反感を覚えるのは自然なことです。
しかし、名家の跡取りや有名人、医師や弁護士を筆頭とする“先生”と呼ばれる職業など、社会的地位の高い父親を持つ息子は、「父親には到底叶わない」と根深い劣等感を持ちやすいそう。
もし、父親への劣等感を持ったままいまも苦しんでいるなら、「親は選べないけれど人生は選べる」「父親は完璧な存在ではない」と気づくことが大切だとアドバイスしています。