現在の科学技術では無理! 地球上では完璧な「球」は作れないってほんと?

| 学生の窓口

地球をはじめボールや「軸受け」にも使われている「球」。数学の授業では体積の求め方も習うのに、現在の技術では地球上で作れないのはご存じでしょうか?

完全な「球」は、どの角度から見ても円を描いていなければなりませんが、重力によってわずかな「ゆがみ」が生じてしまうので、地球上ではほぼ不可能……どの天体の重力も受けない宇宙空間でなければ作れません。完全な球を完全な平面に置いたら、触れている面積は理論上ゼロと、球はフシギな物体なのです。

■最高ランクでも10万分の8ミリの誤差

ボールや地球儀などに用いられる「球」は、日常的な存在といえるでしょう。なかでも「軸受け」に使われるボール・ベアリングは球の特徴を活かした部品で、回転する軸と軸受けのあいだに球が入るため、接触面積が減る=摩擦も減るの構図から、自動車やハードディスクなど、あらゆる分野で利用されています。もしベアリングの球がラグビーボールのようにゆがんでいたら、摩擦が増えるだけでなく、軸/軸受けを壊してしまう可能性もあります。そこで完全な球である真球(しんきゅう)を作る研究が数多くなされていますが、現在の技術では不可能……地球の重力によってゆがみが生じてしまうからです。

ベアリングなどの球は、どのように作られるのでしょうか? 一般的な製造方法は、

 ・針金状の材料を切る

 ・「型」ではさんで成形する

 ・余分な部分を切り落とす

その後は熱処理や洗浄を経て、ラッピングと呼ばれる作業で精度を高めていきます。ラッピングは、球が研磨機のあいだを何度も通過させて少しずつ削る作業で、それ後ひとつずつ磨かれる場合もあります。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会