高齢化社会を迎えた日本。介護や健康寿命という課題がたくさんある中で、すでに問題が浮き彫りになってきた分野があります。それは高齢者による犯罪です。振り込め詐欺などでは被害者になりがちな高齢者ですが、実際の検挙件数を見ると高齢者による犯罪が急増していることがわかりました。
■高齢者の犯罪が増えている
高齢者の検挙人員はここ20年で約4倍に増えています。刑務所への入所者で見てみるとさらに増加傾向が顕著で、ここ20年で約5倍になりました。平成25年の1年間に高齢者が刑務所へ入所した人数は2,228人で、他の年齢層とあわせた全体の入所者数の9.8%を占めていました。刑務所へ入る人の10人に1人が高齢者ということです。平成に入ってから高齢者の数はおよそ2倍に増えていますが、その増加だけでは説明のつかないくらい、高齢者による犯罪が増えているようです。
犯罪で検挙される人口比で言うと、高齢者は最も低く10万人当たり145.0人です。最も多いのが20代の323.1人、それに次いで30代が220.0人なので、高齢者の犯罪を人口比で見ると多くはありません。しかし、増加率で言うともっとも大きな値になるのが高齢者である65歳以上です。特に、ほぼ一貫して増加傾向な犯罪が窃盗と傷害・暴行です。万引Gメンのドキュメントや、暴走老人という言葉が思い出されるケースですね。
■孤立する高齢者
こうした高齢者による犯罪の増加の背後には、高齢者の孤立が考えられます。実際に起こった事件でも、高齢者の夫婦の片方が寝たきりになってしまい、介護施設の利用料が工面できず、誰にも相談できずに手をかけてしまったとか。万引でも、ただの生活苦ではなく、周囲に友人や相談相手がいないことで追いつめられての犯行というのが多いようです。
検挙された高齢者は、そうでない高齢者に比べて一人暮らしの割合が高く、子供や周囲との接触の少ない人が多くなっています。