ニッポンの“CMシンデレラ”50年の名場面(2)「鈴木蘭々・チョーヤ・ウメッシュ(1997年)」

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ニッポンの“CMシンデレラ”50年の名場面(2)「鈴木蘭々・チョーヤ・ウメッシュ(1997年)」

 96年から97年にかけ、2年連続でCM女王に輝いたのが鈴木蘭々(40)だ。そのキュートな個性が開花するまでは、意外に長い道のりだったという。

「髪を切ってから運勢が変わったと思いますね」

 今もトレードマークのショートカットを指さしながら、蘭々は振り返った。モデルとしてデビューしたローティーンの頃は、髪のアレンジが利くようにとロングが求められていた。

「自分は自由人なので、指図されたくなかったんです。そのあとに事務所を変わり、そこから好きにやらせてもらいました」

 モデル時代はCMに対してトラウマがあった。いくつものオーディションを受けるが、まったく成果が出ない。

「100本受けたら100本落ちる状態で、私はオーディションに受からないモデルだと思っていましたから。唯一、資生堂のニキビ用洗顔フォームに選ばれて、それを見たプロデューサーの方に声をかけていただきました」

 直後にローソンの「それ行け! ローソン通り物語」(94年)が決まる。コンビニ店員という設定で、中山美穂や高嶋政伸らとのストーリー性あるシリーズ展開が評判になった。

「緑山スタジオに行ったら、街ごとセットで造ってあるんです。コンビニの店内も品ぞろえがすごくて、CMのロケって豪華だなあと驚きました」

 バラエティに、ドラマに、CDにフル稼働となり、96年と97年はCM本数が連続でトップ。キャラクターを生かした名作はいくつもあるが、チョーヤの「ウメッシュ」(97年)もその一つ。好評に応え、いくつものバージョンが生まれたが、ダチョウとの共演編はインパクト大だった。

「追いかけられるダチョウの着ぐるみに人が入っているんですが、ダチョウの脚って『逆くの字』じゃないですか。つまり、後ろを向いたまま、目線も合ってないまま、全力で走る形なんです。あれは‥‥すごく大変そうだなって思いました(笑)」

 当時、20歳を過ぎていたとはいえ、アルコールは苦手だったので、缶の中身は「梅ジュース」で代用していたそうだ。

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