半世紀の休止期間を経て、廃線が決まった「幻の貨物線」。埼玉県川越市「西武安比奈線」の跡地を巡ってみた。

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半世紀の休止期間を経て、廃線が決まった「幻の貨物線」。埼玉県川越市「西武安比奈線」の跡地を巡ってみた。


埼玉県で一本の鉄道の歴史が静かに幕を閉じようとしている。

その鉄道の名は「西武安比奈(あひな)線」。

埼玉県川越市の南大塚〜安比奈間わずか約3.2kmほどを結ぶ貨物線ですが、その存在を知る人は決して多くはありません。

なぜなら、今から半世紀以上前の1963年から西武安比奈線は休止状態となっており、約50年にわたって貨物は姿を消してしまっていたからです。

長らく休止状態が続き、一部の鉄道ファンの間では「幻の貨物線」と呼ばれていた西武安比奈線ですが、2016年2月10日に西武鉄道より正式に廃線決定の発表があり、年内の11月末をもって、その長い歴史に終止符が打たれることとなりました。

今回は、半世紀の時を経て廃線が決まった「幻の貨物線」こと「西武安比奈線」について紹介します。

・西武安比奈線の歴史
鉄道ファンの間で「幻の貨物線」と呼ばれ、親しまれている「西武安比奈線」。その歴史は1925年にまで遡り(さかのぼり)ます。1920年代といえば、1914年〜1918年まで行われた第一次世界大戦の特需によって「大正バブル」と呼ばれる空前の好景気を迎えていた日本が、一転して戦後恐慌と呼ばれる不景気に陥っていた時代。そんな日本が不況で苦しんでいた時代に、埼玉県の入間川河川敷で採れる砂利を輸送するための貨物線として「西武安比奈線」は誕生しました。その後しばらくは貨物線として活躍していましたが、1963年になり入間川の砂利の採取が禁止されると、砂利を運ぶために作られた「西武安比奈線」の役割も無くなり、同線は営業休止となり1967年からは正式に休止線となりました。それから約半世紀の間、「西武安比奈線」は休止線として埼玉の地で復活を待ち続けていたのです。

・朝ドラのロケ地で有名
1963年より運転を休止し、手付かずのまま残されていた「西武安比奈線」。

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