どういうメカニズムなの? 動物も「あくび」が伝染するってほんと?

| 学生の窓口

退屈や眠気のサイン「あくび」。誰かがあくびをすると、ほかのひとにも伝染するなんて言われていますが、人間以外の動物でも起きるのはご存じでしょうか?

ヒツジに「あくびをしているヒツジ」の映像を見せる研究では、あくびする率が5倍近くも上昇することがわかり、食べ物をかみ直す「反すう」はほぼ変わらないことからも、ヒツジもあくびが伝染することがわかりました。犬は不安を感じたときにあくびをする習性がありますが、飼い主を始め、身近なひとのあくびがうつることもしばしば。空気が汚れている、酸素が足りないなんて言われがちですが、じつは「共感」が原因だったのです。

■かなりビミョウな「空気が原因」説

友人の部屋で「徹夜で飲もう! 」なんて局面になると、誰からともなく始まるのが「あくび」で、フシギなことにほかのひとにも伝染します。空気が汚れている、酸素が少などと言われがちですが、この説はかなりビミョウ。トンネル内や実験施設なら話は別ですが、フツウの住宅で酸素不足の状態を作り出すのは至難のワザですし、大気中に0.03%ほどの二酸化炭素を5%まで増やしても、あくびの回数は大差なかったとの研究結果もあるからです。窓を開けて夜風に当たれば刺激になるのは当然ですが、空気が原因説はかなり強引と言えるでしょう。

どんな動物も、あくびは伝染するのでしょうか? チンパンジーにも起きることからも霊長類だけの現象なんて話も聞きますが、ヒツジを使った研究でも伝染することがわかりました。

実験方法はいたってシンプルで、

 ・あくびしているヒツジ

 ・反すうしているヒツジ

の2種類を録画し、ほかのヒツジに「音声なし」で見せたところ、5分以内に同じ動作をする率は、それぞれおよそ、

 ・あくび … 5倍

 ・反すう … 1.5倍

と、大きな差がつきました。

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