どういうメカニズムなの? 動物も「あくび」が伝染するってほんと? (2/2ページ)
画像をみて、たんに相手の動作をマネしているだけでなく、「あくび」だから伝染すると分かったのです。
■ 「あくび」が出るほど親しい関係?
犬の研究ではさらにおもしろい結果が出ました。人間のあくびが犬にも伝染するのです。
犬のあくびは「不安」や「ストレス」のサインなので、飼っている犬が頻繁にしていたら良からぬ兆候、原因を取り除くべきでしょう。ところが人間があくびすると、犬もあくびをする率が高いことが分かりました。人間同士と同じように、犬にも伝染することが判明したのです。
また、犬にあくびがうつる率は「親しさ」が密接であることもわかり、つられる率の目安は、
・家族 … うつりやすい … 50%ほど
・他人 … うつりにくい … 10%以下
となりました。さらに、このときの犬には不安やストレスの兆候はなく、つまりはウソあくび……これらの結果から、あくびをしているひとに対する「共感」が理由、と結論づけられています。
恋人や気の合う友人とは話し方や口グセ、一緒に歩くと歩調が揃う「シンクロニー現象」が起き、親しくないひととは起きないのも「共感」の差と言えるでしょう。ペットと暮らしているひとは、あくびがうつるかで「親近感」を確認してみてはいかがでしょうか。
■まとめ
・「あくびをしているヒツジ」をみたヒツジは、あくびする率が5倍に増えた
・「反すう」では起きず、伝染はあくび固有と判明
・人間のあくびが犬にうつることも判明
・あくび伝染のベースは「共感」。親しくないひとのあくびはうつらない
(関口 寿/ガリレオワークス)