「先週の水曜日、なにをしていましたか?」
この質問に、即座に答えられる人はどれくらいいるでしょうか。週末が休みの会社員であれば出勤、子どもも幼稚園や学校に行きます。多くの人がなんの気なしに通り過ぎてしまう週のまんなか・水曜日。そこに意味を見いだをした取り組みがいま、注目を浴びています。
取り組みの名前は「赤崎水曜日郵便局」。そのプロデューサー兼管理人で新刊『赤崎水曜日郵便局 見知らぬ誰かとの片道書簡』(KADOKAWA)の著者・楠本智郎さんにお話を伺いました。見えてきたのは、“平凡な1日”の持つ重みでした。
■3年で5,000通以上が集まった
「赤崎水曜日郵便局」は、熊本県津奈木(つなぎ)町が運営する公立美術館「つなぎ美術館」が2013年からことし3月まで、3年間の期間限定で行うアートプロジェクト。楠本さんはこの美術館の学芸員として、活動を主導しています。
水曜日に起こったできごとを専用の便せんにしたためて「赤崎水曜日郵便局」宛に送ると、知らない誰かの水曜日について書かれた手紙が名前を伏せたかたちで届く、というもの。熊本県の小さな町で始まった取り組みは口コミから新聞やラジオ、テレビなどで取り上げられ、ことし2月現在で5,100通以上が寄せられました。
送り手の多くは30代、20代の若い世代。全体の8割ほどが女性です。「アナログからデジタルの過渡期に育った、手紙も経験しインターネットも使いこなせる世代が多く参加してくれている印象です」と楠本さん。
■100人いれば、100通りの幸せ
このプロジェクトを特徴的なものにしているのが、“水曜日”のできごとをしたため合う、という設定です。水曜日を選んだ理由は、プロジェクトのシンボルになっている小学校の廃校舎が海の“水”の上に立っていること、そして、週の真んなかであるということ。