平成28年度税制改正では、税務調査の予告があってから、実際に税務調査がなされる前までに修正申告を出しても、加算税が原則として5%課税されることになりました。従来は、このような修正申告であれば、加算税はかからないとしていましたが、国税の考えによると、予告をしてから実際の税務調査前までに修正申告をして加算税を逃れるという悪質な行為を許さない、という本音があり、今回改正に至ったようです。この改正は、平成29年1月1日以後に申告期限が到来する税について適用されます。
■悪質さを取り違えている
この改正に関する税制改正の資料を見ると、相当の金額の加算税を、自主修正により免れている事例が掲載されています。財務省は税の知識のない国会議員が見れば、さぞかし悪質な行為に見える資料を作っており、国税がいかに苦々しく思っているのかがよく伝わってきます。
しかしながら、国税もこのような修正申告をさせないよう、いろいろと悪知恵を使っていました。国税が狙っているポイントを納税者に分からないように、税務調査の予告の電話では狡猾に話していましたし、予め納税者が間違いを告白しても、「間違いがあるなら今から税務調査にして、加算税もかけます」などと、恥知らずな指導を繰り返していました。
人の振り見て我が振り直せ、と言いますが、国税にはこの常識が通用しないようです。
■加算税逃れは悪質な行為ではない
少し専門的ですが、加算税は刑罰ではありません。刑罰とは社会悪に対する制裁ですので、厳格に罰せられますが、その厳格さがありますから、同じ犯罪について二重に刑罰により処罰されることはないとされています。
一方で、加算税は刑罰ではありませんので、刑罰と加算税をダブルで適用することが可能です。脱税犯は、脱税という刑事罰に加え、不正行為に対するペナルティーとして重加算税も課税されますが、これは二重刑罰ではないからです。
そういう意味では、加算税は制裁性が強くはないと言われます。となれば、加算税逃れも悪質とは言えないと思います。
姑息で性悪説に寄り過ぎた国税と自主修正の改正を専門家が解説!(松嶋洋)
2016.03.14 19:00
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