<今回の嘆き> 付き合っている彼がいるのですが、独立起業を考えているそうです。土日は起業セミナーや異業種交流会に参加し、平日の夜はスカイプでのコーチングを受けるなど、ずいぶん熱心に取り組んでいる様子。「サラリーマンを一生やるつもりはない」と豪語する彼の夢を応援したい気持ちはありますが、彼が起業に熱を入れれば入れるほど、両親に紹介するときのハードルが上がっていくように感じます。このまま彼の成功を待っていたら、私は婚期を逃してしまうのではないでしょうか。こんな私は新しい出会いを探すべきでしょうか?
彼が安定した経済基盤を持った成熟した大人の男性ではなく、これから会社を辞めて不安定な起業家になるのでは、自信を持って両親に紹介できないということですね。一般的な考え方では、それも一理あるのですが、安定した結婚生活を実現するカギを握っているのは、本当に彼の側だけでしょうか。彼が夢を追う起業家でも、多忙で高収入の経営者として成功しても、起業を思いとどまってサラリーマンのままでも、安定して変わらぬ愛と信頼を示せるかどうかを問われているのは、実は彼女のほうかもしれません。
伴侶として選んだ相手を両親に認めてもらうことが、結婚のゴールではありません。結婚生活における本当の幸せや醍醐味は、第三者にはわからないことも多々あります。結婚とは、2人の異なる人間がそれぞれの人生の物語を進行させながら、刺激や学びを与え合い、健やかに暮らすための知恵をもちより、それぞれの人生の物語を交差させつつ生活基盤をともにする営み。当人同士以外の人に認めてもらうことに必死になって、自分が相手の人生の物語の脇役ばかりを演じたり、逆に自分の理想の人生の物語を相手に強いたりするのでは、かけがえのない2つの人格の出会いが味気ないものになってしまいます。
柔軟性のない価値観(しかも親から受け継いだものそのままの状態)に、がんじがらめになった結婚話は暗礁に乗り上げてしまうので、壁にぶつかるたびに、「世間一般の考え方や、それぞれの親の考え方はさておき、私たちはどうしたい?」「私はこうしたいけど、あなたはどうする?」などという話し合いを展開することが必要となります。