世の中ではしばし、残業をしたのに残業代がもらえないということが問題になることがあります。残業代が出ないということは、違法になりえるのでしょうか。もし違法だと分かった場合、どのようにするべきなのでしょうか。残業代未払いに対する違法性ともし遭遇してしまった場合の対処についてご紹介します。
■残業代が出ないのは違法なの？
近年、残業代の未払いやサービス残業といった、残業代を出さない会社というのが取り沙汰されるようになりました。もちろん、不当に残業代を支払わない会社というのは違法なケースが多々ありますが、残業代が出ないということだけで見ると違法なのかということについては、ケースバイケースになります。例えば、違法になるというケースとしては、新入社員で研修中だからという理由で残業代を払わない。定時にタイムカードを打たせ残業させる、家に持ち帰らして残業させるというケースが挙げられます。いずれも、会社都合による残業代の支払いの拒否が違法になるということが分かるのではないでしょうか。つまり、特段の理由やルールに基づいていない限り、会社の都合によって残業代を払わないということはできないのです。
■残業代が払われないケースとは？
一方残業代が出ないことが、違法だと判断されないケースもあります。例えばみなし残業や管理職の場合などです。みなし残業の場合は、会社があらかじめ一定の残業代を賃金に含めて払います。そのため、みなし残業時間内であれば残業代が既に支払われていることになり、残業代の未払いにはなりません。また、管理職でも経営者とほぼ同等の立場と認められた場合で一般の社員よりも高い相応の給与が支払われている場合は、時間外労働と休日労働に対し残業代は適用しないことになっています。ただし、現在名ばかり管理職といって、経営権などを持っていないのに、残業代が支払われないケースは違法だと判断することができるでしょう。