いま、教育の現場で注目度が高まっている“中1ギャップ”。昨今ニュースで見聞きする子どもの自殺やいじめによる傷害、殺人といった深刻な事態も、この中1ギャップが根本の原因のひとつと見る向きも少なくありません。
しかし、Benesse教育情報サイトが中学生の子どもを持つ親に行った調査では、「中1ギャップ」という言葉の意味まで知っているという回答は7%。知らないとの回答が47%と、ほぼ半数を占めました。
教育学博士の著者による『中1ギャップを乗り越える方法 わが子をいじめ・不登校から守る育て方』(渡辺弥生著、宝島社)から、この中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの環境の変化を追ってみましょう。
■中1ギャップとは「中学校生活にとけ込めない状態」
そもそも、中1ギャップとはなんなのでしょう?
これは、「子どもの心身の発達時期が現代の小学校や中学校の義務教育の学校区分や学校制度と必ずしも適合していないことから生じる心身のギャップ」のこと。
もう少しやわらかいいい方をすれば、「小学校から中学校に入学した1年生が、大きな段差や壁を感じとり、中学校生活にとけ込めない状態」です。
実際、たとえば不登校は小学生から中学生に進学した段階で減ることはなく、むしろ統計上は増えています。
さらにいじめの認知件数データでも、小学校6年生から中学校1年生で件数が増え、中学校2年生になると若干減少する傾向があるのです。データ上でも、ギャップの存在がはっきりと見て取れます。
では、小学校から中学校に上がる段階で、子どもたちのなかではどのような変化が起こっているのでしょうか。
■中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの変化
(1)内面の変化=第二次性徴
この年ごろの子どもたちが避けて通れないのが、自分自身の心身の変化です。とくに小学校5年生から中学校1年生ぐらいまでの時期、子どもの身体は人生で初めての大きな変化を経験します。第二次性徴です。
男子は声変わりや筋肉質な体格になるなど。女子は乳房が発達したり、初潮を迎えたりします。