北朝鮮「女性従業員」の人権侵害と日本企業の関係

| デイリーNKジャパン
北朝鮮「女性従業員」の人権侵害と日本企業の関係

デイリーNKは、日本企業と契約している中国の水産加工会社が、違法な条件と環境で北朝鮮人の従業員に労働を強いているとの情報をキャッチした。これまでにも北朝鮮レストランのウェイトレスが、時には強制売春などを強いられている実情を伝えてきたが、改めて北朝鮮の外貨稼ぎの現場で、人権侵害が行われている実態が明らかになりつつある。

情報を提供した中国の対北朝鮮情報筋によると、現場となっているのは、中朝国境に面した遼寧省丹東市の某水産加工会社だ。同社は、北朝鮮当局と契約を結び、北朝鮮出身の女性従業員200人を雇用している。

同社が従業員1人に支払う月給は500ドル(約5万5000円)。北朝鮮当局はそのうち350ドル(約3万9000円)をピンはね。北朝鮮から派遣された現場責任者は、残りの150ドル(約1万7000円 )のうちの一部を従業員に給料として渡していた。額は不明だが、1万7000円の一部から支払われるわけだから、かなりの割合でピンハネされていることになる。

ちなみに中国・丹東市政府は、1ヶ月の最低賃金を1200元から1320元(約2万500円から2万2500円)と定めている。中国の労働関連法規は、会社に重大な損失を与えた従業員の給料から、最低賃金を下回らない範囲で天引きすることを認めているが、この水産会社で仮に150ドル全額が支払われていたとしても、規定の額を下回る。つまり違法だ。

しかし最近では、それすらも渡されなくなったという。なんと、現場責任者が水産加工会社に「6ヶ月分の給料を前借りさせてくれ」と強く要求し、北朝鮮に全額を送金してしまったのだ。

朝鮮労働党第7回大会を控え、喉から手が出るほど外貨が欲しい北朝鮮当局からの指示だったと見られる。経済制裁の影響で外貨稼ぎの柱だった北朝鮮レストランで閑古鳥が鳴くような状況になり、収入源の穴埋めを図ったとみられる。

一方、中国の水産加工会社は日本企業との新規契約を獲得。作業量が増えたため、向こう6か月の労働力を昇給なしで確保できることになる北朝鮮側からの要求は、まさに「渡りに船」だった。さらに「給料を増やすために、1日の労働時間を12時間から13時間に増やして欲しい」との要求もあったが、これも違法だ。

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