世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第172回 いわゆる『国の借金』が130兆円減った!

| 週刊実話

 IMF(国際通貨基金)が日本経済の成長率の見通しについて、2016年は+0.5%、'17年は▲0.1%に引き下げた。'17年の経済成長率についてマイナスと予測された先進国は、もちろんわが国のみである。
 いよいよ消費税増税の見送りと、大々的な財政政策の拡大が必須の状況になってきたわけだが、例により、
 「わが国は莫大な借金を抱えているため、消費税を増税するしかない。大規模財政政策の拡大もできない」
 などと、間違った認識から逃れられない国民が少なくないため、本稿で“朗報”をお伝えしておこう。何と、日本政府の負債、いわゆる「国の借金」は、ピーク時と比べて130兆円以上も減っているのだ。しかも、130兆円の減少とは'15年末時点であるため、現在はさらに減っていること確実である。
 いわゆる「国の借金」を130兆円超も減らしたのは、何を隠そう安倍政権なのである。安倍政権の経済政策は「国民が豊かになる」経世済民という点では、逆方向にまい進するタイプばかりだ。とはいえ、安倍政権発足後の「量的緩和」政策が、日本政府の実質的な負債を恐るべき勢いで減らしているのもまた、間違いのない事実なのである。

 まずは基本を押さえてほしいのだが、わが国は「国家全体」として見ると、世界一のお金持ち国家だ。日本の民間、政府が保有する対外資産から対外負債を差し引いた対外純資産は、'14年末時点で366兆8560億円に達し、文句なしで世界最大だ。日本は国家として見れば、世界一のお金持ち国家なのである。
 そのお金持ち国家日本の「中」において、政府が民間から借りているのが、いわゆる「国の借金」、正しくは「政府の負債」である。日本政府の負債について、「国の借金」あるいは「日本の借金」と呼ぶのは、明確な間違いだ。
 そして、日本政府の「国内の民間」からの負債は1000兆円を超えており、確かに巨額ではあるのだが、100%日本円建てだ。なぜ、日本円建てなのかと言えば、わが国は「貯蓄過剰」を意味する経常収支黒字国で、政府は普通に日本円建てで資金調達可能であるためである。ついでに書いておくと、対外純資産とは経常収支黒字の蓄積になる(統計的にそうなっている)。わが国が世界一のお金持ち国家であるのは、長年、経常収支の黒字を続けてきたためだ。

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