大勢が決まっても…。日本代表2016年初陣、接点の「選考会」に迫る。

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韓国戦で日本代表デビューしたFL山本浩輝(撮影:松本かおり)<アジアラグビーチャンピオンシップ 2016>日本代表 85-0 韓国代表(4月30日/神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)

 身長183センチ、体重125キロの右PR知念雄は、テレビ用のインタビューが始まるやこう言った。

「周りでは準備期間が短いだとか、今度の日本代表にキャップを与えていいのかという声もあったみたいですが…」

 昨秋のワールドカップイングランド大会に出た選手がゼロで、大半はテストマッチ(国際間の真剣勝負)の未経験者というメンバーが、合宿開始から約1週間で本番突入。対する韓国代表は強化体制を刷新しており、選手間からは「追う立場になるかも」との声も漏れた。

 結論。ひとまず杞憂に終わった。

 前半1分にPR知念らが敵陣10メートル線付近左のスクラムを制圧し、右側でWTB山下一が腰高のタックルをかわしてインゴールへ行った瞬間、観る者の興味は勝負と別な方角へ向かったか。

 個々が中竹竜二ヘッドコーチ(HC)代行が唱える「アクション(自ら仕掛ける)ラグビー」という枠組みを遂行するなか、どれだけ以後の生き残りへアピールできるか、だ。

 この午後、最多の5トライを奪ったのは、タッチライン際に位置するWTB児玉健太郎。3度インゴールを割ったWTB山下とともに、テレビカメラの前で少なくない時間を過ごした。もっとも敗れた右PRシン・ドンウォン主将は、こう天を仰ぐ。

「FL、NO8が機能していた。ラックで我々のミスを誘った」

 ともに代表初陣の山本浩輝、安藤泰洋の両FLは、立ち上がりからジャッカルを繰り出した。

 スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズでも多くの出番を伺うFL安藤は、「こういう点差の離れた試合でも、規律を守ってプレーできるよ」と自らをプロモーションした。

 前半5分、敵陣の深い位置の相手ボールスクラムを押し込む。その勢いで、相手の攻撃に襲い掛かる。

 腰高なランナーの持つ球に絡んだのは、NO8テビタ・タタフだ。

「強くプレッシャーをかける!」

 東海大2年の突貫小僧、攻守逆転を決める。

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