睡眠医学のドクターに聞く。新常識! 「肌のゴールデンタイム」の本当の時間帯とは?

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睡眠医学のドクターに聞く。新常識! 「肌のゴールデンタイム」の本当の時間帯とは?

睡眠不足の翌朝は、必ずと言っていいほど化粧ノリが悪いことに気付きます。よく、「肌のゴールデンタイムは22時~翌2時。この時間に眠るのが美肌づくりの基本」と言われますが、それは医学的に正しいのでしょうか。また、睡眠と肌はどのような関係にあるのでしょうか。大阪市立大学医学部特任教授で東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身(かじもと・おさみ)院長に詳しいお話を聞いてみました。

■何時に寝ても、睡眠開始から3時間の熟睡が重要

まず、肌の状態と睡眠はどういう関係にあるのでしょうか。梶本医師は次のように説明します。

「深く眠っているときには、大脳の下にある脳下垂体(のうかすいたい)という器官から『成長ホルモン』が分泌されるのですが、これが皮ふはもちろん、体の各組織の細胞の新陳代謝を促します。ですから、睡眠の質は皮ふの状態に直接的に影響を与えると言えます」

肌のゴールデンタイムとは、その成長ホルモンが分泌される時間帯のことを言うのでしょうか。

「そうです。眠りのメカニズムを知っておくと理解しやすいのですが、睡眠中、体は眠っているのに脳が動いている浅い眠りの『レム睡眠』と、脳も体も休んでいる深い眠りの『ノンレム睡眠』と呼ぶ状態を交互に繰り返します。その周期は、約90分です。

ヒトがもっとも深く眠るのは、眠りについてからおよそ1時間たったころです。最初のノンレム睡眠にあたりますが、このときに次のレム睡眠にスムーズに移行することで、起床までのリズムを整えてよい睡眠をもたらします。この寝入りばなの2サイクル分の約3時間に、成長ホルモンがもっともたくさん分泌されるのです。

これまでは、22時ごろに眠りにつくと、だいたい翌2時までに2サイクルが訪れるため、その時間帯を肌のゴールデンタイムと呼んできたのだと思います。しかしながら、実のところ、医学的に時間を特定する根拠はなく、早く寝ましょうと感覚的に言い伝えられてきたのではないでしょうか。

『何時に寝たとしても、入眠から3時間の間に熟睡することが重要』であるわけです」と梶本医師。

仕事でもアフターでも忙しい女性にとっては、22時に就寝というのは現実的ではありません。これは朗報と言えるでしょう。

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