2016年6月4日に亡くなった、プロボクシング元世界ヘビー級王者モハメド・アリ。
さまざまな著名人が追悼のコメントを発表し、世界中が悲しみに包まれた。
彼が戦っていたのはリングの上だけではなかったのはあまりにも有名だ。
ローマオリンピックで金メダルを獲得し、アメリカに帰国したアリ。しかし、レストランで受けた人種差別に抗議し、金メダルを川に投げ捨てた。その後、国際社会に人種差別の撤廃を訴えていくことになる。
そんなモハメド・アリの温かい人間性が垣間見えるエピソードをご紹介しよう
1981年、アメリカ・ロサンゼルスにて、9階建てのビルから飛び降り自殺をしようとしている男性に、アリは駆け寄っていったそうだ。
以下が当時の動画だ。
アリ「ヘイ、ブラザー! 馬鹿なことはやめるんだ。一緒に行こう、俺の友人たちを紹介したいんだ」
男「ほっといてくれ! 俺なんて誰からも必要とされてないんだ!」
アリ「そんなことはないよ。少なくとも俺は今この瞬間、君のことが心配でたまらないんだ。」
アリ「もう一度よく考えるんだ。仮に自殺してしまったら後悔すらできないんだぞ。それでも飛び降りるというなら、君は間違いなく地獄行きだ」
アリがさらに説得を続け、男性は自殺することを諦めた。
1階まで一緒に降りると、アリは自分の車で男性を病院へと運んでいったそうだ。
「強くなりたい」多くの人がそう願うが、本当の“強さ”とは、“優しさ”なのかもしれない。
そんなことを感じさせるモハメド・アリのエピソードだった。