【プロ野球】誰もがおどろいた球界の”謎のピンチ要員”列伝

誰もがおどろいた野球界「ピンチ○○」の男たち

「高橋光成に代わりまして、“お立ち台”熊代聖人───!?」

 そんなアナウンスはなかったが、6月2日の西武対DeNA戦で珍現象が起きた。完投勝利の西武・高橋光成がヒーローインタビューを受けるはずが、最終回に左すねに打球を受けて負傷したため、 “代役”として熊代聖人がお立ち台に立ち、高橋になりきってインタビューを受けたのだ。

 インタビュー後のサインでも「こうな」と書く徹底ぶり。各スポーツニュースでも取り上げられていたため、目にした人も多いだろう。内野も外野もどちらも守れるユーティリティープレイヤーである熊代だが、試合外でもユーティリティーぶりを発揮した形だ。

 代役ヒーローも珍しいが、球界にはほかにも、ファンを驚かせるさまざまな「代役」の存在が過去にあった。特に珍しいケースを3つ振り返ってみよう。

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■まさかの「サヨナラホームラン代走」

 1991年6月18日。中日対大洋(@ナゴヤ球場)で生まれたのが、前代未聞の「サヨナラホームラン代走」だ。

 6対6で迎えた延長10回、中日の5番、彦野利勝が放った打球はレフトスタンドに弾丸ライナーで飛び込むサヨナラホームラン! 4時間12分に及ぶ死闘に決着がついた……はずだった。

 喜ぶ中日ベンチをよそに、打ったランナー彦野は、なぜか一塁ベースを回ったところで転倒し、右膝を押さえながら悶絶。その場にうずくまっていた。

 球審は彦野がこれ以上動けないと判断し、中日・星野監督に代走を要請。星野監督は山口幸司を代走に指名した。突然の指名、そしてホームランの代走という珍事に戸惑い、きょとんするばかりの山口。そんな山口に対し、「ベースを一周してくるだけや!」と星野監督がカミナリを落としたことも付記しておこう。

 彦野のケガは思いのほか重く、右ヒザ靭帯断裂で全治3カ月。レギュラーに復帰するまでには3年も要してしまう大ケガだった。

 ちなみに、ホームランを打った選手に代走が送られたのは日本ではこれが2例目。サヨナラホームランでは史上初の出来事だった。

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