わが子が、妻にだけなつかない! 次々と押し寄せる育児のトラブルに、遂に妻が壊れた……。
前回(『アタシにだけなつかない…妻が壊れる<前編>』)「ねえ、コレ捨てていい?」というわが耳を疑う一言を発した妻。
自身の不妊治療奮闘記を綴った『俺たち妊活部』の著者・村橋ゴローが見た、最愛の妻が産後ウツになっていく……壮絶な産後育児をお伝えします。
■「アタシ、もう限界です」
「ねえさあ、もうコレ、捨てていい?」
寝ぐずり泣き叫ぶ赤ちゃんを抱いた妻は、ベランダを見ながらそう吐き捨てた。
ちなみに、わが家はマンションの6階にある。
耳を疑った。
そして彼女が何を言ったのか理解したのと同時に、僕は両手で彼女の肩を強くつかむと、大きく揺すった。
「りえ!しっかりしろっ!!」
するとまるで憑き物が取れたかのように、ハッと真顔に戻った妻は、次第に全身を小刻みに揺らしながら嗚咽をあげた。びっくりした赤ちゃんは、火がついたようにさらに高く大きな声で泣き始めた。
そんなふたりを僕は強く抱きしめ、いつのまにか僕まで泣きはらしていた。
■妻のSOS
母乳問題、慢性的な便秘、顔に広がる真っ赤なブツブツ。くわえて、赤ちゃんが妻にだけなつかないという地獄。
想像してほしい。
3年に及ぶ不妊治療、2度の流産を乗り越え、41歳で妻は第一子を授かった。
その子が、妻が抱くたびに泣き叫ぶのだ。降りかかる様々なトラブルに飲み込まれ懸命にもがくも、なす術がなく途方に暮れる妻。
すべてが上手くいかず、ただ赤ちゃんが泣き続けるという現実。
「ねえさあ、もうコレ、捨てていい?」
これは妻のSOSなのだ。
「もうだめ、限界です」
「助けて、あなた」
妻はそれでも必死に赤ちゃんを愛し、すべてのお世話を懸命にこなしていた。