アベノミクス“ギアセカンド”発動で年金運用大損失10兆円は取り返せるか

| 週刊実話

 公的年金などの積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2015年度に5兆円を超える額を溶かしてしまったことが明らかになった。さらに、'16年4〜6月期も、わずか3カ月で同じく約5兆円の運用損失を出す見通しとなったことを、野村証券の財政アナリストが試算で明らかにした。'14年度末から比較した場合、合計損失が10兆円超に膨らむ計算だ。

 安倍晋三政権は、通常7月第1週には行われる前年度運用成績の公表を、今年に限っては7月29日と参院選後にずらしている。野党は「安倍政権は姑息だ」と激しく攻め立てた。民進党の玉木雄一郎議員は4月7日の衆院特別委員会で政府にこう畳み掛けた。
 「なぜ'15年度の運用成績結果を参議院選挙の前に出さないんですか? 5兆円ぐらいの運用マイナスが生じていることで、意図的に発表を先送りしているのではないですか? これは巨額の損失隠しでしょう」

 対する塩崎恭久厚生労働相は「そのようなことはありません。過去にも'01年度分と'06年度分の公開日は7月31日でした。政治的な判断で遅らせるということはありません」と反論。安倍首相も「私たちが意図的に隠しているかのごとくおっしゃっていますが、全くそんなことはありません」と完全否定した。さらに「私の政権になってからの運用実績は37.8兆円プラスとなっています。民主党政権時代の3年間よりも、はるかに、はるかに、はるかに運用益が上がっていますから、そもそも隠す必要はないのです」と、当時の民主党の経済運営センスのなさをあざ笑った。

 そもそも年金の運用損失がクローズアップされているのは、'14年10月に安倍政権が積立金投資基準を変更したからだ。株式(国内、海外合計)運用の比率を24%から50%にする一方、国債など債券運用を60%から35%に引き下げた。
 「アベノミクスの生命線は株高と円安。その“生命維持装置”に、株安気味になったとき年金資金をドカンと投入して株高を維持できるメリットがありました。年金資産の内訳は、支出が毎年50.3兆円の年金給付額。収入原資は加入者保険料32.6兆円と国庫負担等11.8兆円で合計44.4兆円。差し引き5.9兆円の赤字を賄うのが、投資の運用収入5.1兆円など。それでかろうじて黒字を確保している。

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