なるほど。そりゃあ世界最小なわけだ。なんたって原子の並べ方でデータを記憶するというのだから。これはオランダのデルフト工科大学が発表したハードディスクの技術だ。同大学のホームページで紹介されている。
■ 情報をできるだけ小さく記録する
当サイト『FUTURUS』の記事でもよくテーマになっているが、現代社会においてデータをどうやって保存するかは重要な課題だ。世界では1日に10億GBを超えるデータが新たに作られているという。その膨大な量のデータを保存するに際しては、1ビットが占めるスペースを小さくできるに越したことはない。
そして、デルフト工科大学の研究チームが、それを極限まで突き詰めることに成功した。ひとつひとつのビットが塩素原子の位置によって示される方式を採用した1KB(8000ビット)の容量を持つ記憶媒体を製作したのだ。
「理論的には、この記憶装置の密度なら、人類がこれまでに執筆したすべての本の情報を、切手1枚のサイズに収めることができます」と、研究チームのSander Otte氏はいう。彼らのハードディスクは、1平方インチあたり500TBの情報を記録できる。これは現在市販されているハードディスクの約500倍の密度だ。
物理学者のリチャード・ファインマンは、1959年に『There’s Plenty of Room at the Bottom』という講演において、個々の原子を正確に意図したパターンに配置することができれば、ひとつの原子にひとつの情報を持たせることが可能になるだろうという推測を述べていたという。
そしていま、Otte氏と彼の研究チームは、ファインマンの講演のひとつのセクションを、約100ナノメートル四方のサイズにコード化してみせた。下がそれをスキャンしたもので、実際のサイズは96nm×125nmだという。