「腸がよろこぶ料理」と聞いて、どんなメニューを思い浮かべますか?
じつはこの言葉、『食のギャラリー612』の代表、たなかれいこさんの新刊本のタイトルです。
幼少時から病弱で、小児リウマチなどを患っていたたなかさんは高校生のとき、「薬をいくら飲んでも治らないのならやめてみよう」と思い、きっぱりとやめたのだそうです。すると意外にも少しずつ元気になり、食欲も出てきたとか。
その後30年以上、自分の食欲にしたがって、伝統的製法の調味料を使い、季節の食材を手間ひまかけずに調理する暮らしを続けてこられた結果、ますます体調はよくなり、心身の健康を日々実感しているとか。
そして、そんなご自身の経験から気づいたのは、心身ともに健やかで美しくいられるのは腸内細菌のおかげだということ。著書『腸がよろこぶ料理』(リトルモア)にも、たなかさんが実践している「腸に効く75のレシピと食への思い」が詰まっています。
「腸をよろこばせるには、よいものを食べるより、腸内細菌が苦手なものを遠ざけるほうが近道」とたなかさんは語ります。
そんな考え方を軸とした、「腸内細菌が苦手とする5つのもの」をご紹介しましょう。
■1:腸内細菌は冷えが苦手
おなかを冷やす食べ物をやめてみると、自然と体調がよくなってくるはず。内蔵のなかでも腸は、とくに冷えが苦手だそうです。
ビタミンやホルモンの合成、コレステロールの代謝、免疫力の発揮などは、いずれも腸内の善玉菌の活躍によるもの。その善玉菌が好きな温度は約37℃。おなかを触ってホコホコ温かい状態が目安です。
逆に、悪玉菌が好きな温度は約35℃。悪玉菌が優勢になると、有毒ガスのアンモニアなどが発生し、健康を害するというのです。
そこで、生野菜サラダを食べるときも冷蔵庫から早めに出して常温に戻してから食べるとか、ジュースやお茶も常温で飲むとか、乾杯のビールも4~8℃で楽しむなど、冷たいものをとらないように工夫してみましょう。
それでも冷えてしまったら、お湯を飲んだり、温かい食べ物を食べたりしておなかのなかから温めてみてください。