ドイツに世界遺産のローマ遺跡群があるのをご存じでしょうか。それが、ドイツ西部、ルクセンブルクと目と鼻の先にある小都市、トリーア。
トリーアは、紀元前16年にローマ皇帝アウグストゥスによって建設された植民都市「アウグスタ・トレヴェロールム」にその起源をさかのぼる、ドイツ最古の街として知られています。
トリーアのシンボルが、ドイツにおける最も貴重なローマ遺跡である「ポルタ・二グラ」。ここが旧市街の入口です。
西暦180年に市壁とともに造られた城門で、「黒い門」を意味するその名の通り、黒い砂岩のブロックを積み上げてできています。
ただし、このように名付けられたのは、歳月の経過とともに砂岩が黒く変色してしまった後の中世時代のことで、建設当初の呼び名はわかっていません。
こちらは反対の旧市街側から見た様子。高さ約30メートル、幅36メートル、奥行き22メートルの巨大な門を目の当たりにすると、その存在感に圧倒されます。
門は二重構造で、最大6トンにおよぶブロックは鉄の鎹で固定されています。