目が見えなくてもPCやスマホの画面を「見る」ことができる、メガネやコンタクトレンズなしでも画面が鮮明に見える……そんなSFのような世界が、現実になろうとしています。そこで重要な役割を担っているのが、人工知能です。今回は、劇的に進化しつつある、人工知能と視覚の関係についてご紹介します!
最近、人間の視覚を助ける新技術が続々と開発されています。そこで中心的な役割を果たしているのが、人工知能の「ディープラーニング(深層学習)」です。ディープラーニングとは何でしょうか? そしてディープラーニングによって、人工知能はどう進化しているのでしょうか?
前提知識として、現在の人工知能は下記のように大きく4つのレベルに分けられます。
【レベル1】単純な制御プログラム。温度が上がるとスイッチを切る、といったもの。
【レベル2】探索や推論をおこなう。将棋のプログラムや質問に答えるロボットなど。
【レベル3】パターンを自動で学習するもの。検索エンジンやビッグデータ分析で活用。
【レベル4】パターンの学習に必要な特徴量(画像認識などで、画像を分析するために抽出する特徴のこと)も自分で獲得できるもの。
ディープラーニングは、上記のうちレベル4に該当します。ようするに、画像や音声を認識する性能が劇的にアップしたのがレベル4の人工知能です。2015年には、画像認識で人間の精度を上回ったとされています。この進化によって、私たちの視覚に関わるさまざまな新技術の開発が可能になったのです。
人工知能が失明を防ぐ? 医療分野での研究に活用今年、グーグル傘下のディープマインド社とイギリスの保健当局は、人工知能を使って目の病気を早期発見し、失明を防ぐための研究で協力することを発表しました。具体的には、保健当局が収集した目に関するスキャンデータを、人工知能が読み取って学習し、その情報を医師に提供することで、よりすばやい目の病気の発見につなげようという試みです。
たとえば糖尿病関連の目の疾患や、加齢による黄斑変性(おうはんへんせい)を早期に見つけられれば、医師はより多くの人の失明を防ぐことができるようになります。