秋津壽男“どっち?”の健康学「50代になれば誰もが気になる尿の出具合。排尿の勢いでわかる前立腺肥大」

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秋津壽男“どっち?”の健康学「50代になれば誰もが気になる尿の出具合。排尿の勢いでわかる前立腺肥大」

 読者の方の中には、50歳の人も少なくないでしょう。50歳とは「初老にさしかかる」年齢です。どんなに自分は若いつもりでも、人間は年齢とともに少なからず衰えていきます。日本人男性の平均寿命は80歳まで延びましたが、その昔、寿命は50歳とされていたように、「体の衰え」を感じるのも当たり前。「健康に気をつけて、うじうじ悩まずに頑張りなさい」と励ましています。

 中でも下半身に関する変化を気にかける方が多いようですが、ここで質問です。「尿のキレが悪い」のと「尿の出が悪い」のでは、どちらがより注意したほうがいいでしょうか?

「尿のキレが悪い」のは膀胱や前立腺に問題があります。考えられるのは前立腺肥大です。男性は50歳前後を境に、白髪が増えるように、前立腺は必ず肥大します。

 ただ、手術を要するまで症状が悪化する人もいれば単に「キレが悪い」で済む場合もあるなど、かなり個人差があります。

 前立腺肥大か否かを確認するには、簡単な識別法があります。若い人と同じタイミングで用を足してみてください。1人だけ取り残されるようでしたら「可能性大」です。

 バス旅行のトイレ休憩で、若い人が「シャー」と短時間で用を済ませるのに、自分はペニスを出してから「チョボチョボ‥‥」という感じの排尿になってしまう、あるいは小便を終えるまでに他の人が2人も用を済ませるほど時間がかかったといった場合も、恐らくは前立腺肥大でしょう。

 また、「排尿後に残尿感がある」というのは、典型的な前立腺肥大の初期症状ですが、いずれにせよ、今は有効な薬はありますし、手術もできるので心配ありません。

 また、前立腺がんにかかったとしても尿のキレが悪くなることはなく、キレが悪い場合、ほとんどは前立腺肥大で、深刻になる必要はありません。つまりは誰でもなる病気であり「女性の更年期障害と同じ」と捉えられます。

 一方、「尿の出が悪い」のは腎臓そのものが悪くなっています。この場合、尿そのものの量が少ないのが原因です。

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